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ガラスは5層重ねが最適

 レガリスの開発は10年に始まった。トステム(現LIXIL)と旭硝子が業務提携し、高性能窓を開発・製造・販売する合弁会社3社を設立。3社のうち開発を担ったAGC-LIXILウィンドウテクノロジーの北原悦史・企画部主査は、「壁並みの窓というのが合言葉になった」と話す。

 早い段階で、Low-Eガラスを多層化する方針は定まったが、ガラスの組み合わせ方や中空層の幅など最適解を見つける研究・開発は続いた。

 結果、ガラスは5層重ねが最適と判断。それより増やしても断熱の効果はさほど上がらず、むしろ日本の住宅に合う約100mmの幅に納まらなくなる。中空層の幅は、広いと熱が伝導しにくいが対流しやすくなる。伝導と対流を勘案し、14.5mmに決めた。

 製品仕様の大枠が見えても、簡単には製品化にたどり着けなかった。

 LIXILサッシ事業部サッシ商品企画第1Gの堤隆士グループリーダーは、「わずかな仕様の差で想定する性能にならない」と説明する。試験を繰り返し、空気の流れを変える部材を追加したり断熱材の位置を変えたりして製品としての完成度を高めた。

 LIXILはレガリスに先行し、樹脂窓「エルスターX」を15年1月に発売。トリプルガラスでU値0.79W/m2・Kの高断熱性能を実現した。AGC-LIXILウィンドウテクノロジー開発部の三浦修課長は、「レガリスの開発過程で培った技術はエルスターXなどにも展開している」と話す。

 壁並みを目指し、とことん突き詰めた技術が、窓製品全体の底上げにつながっているのだ。

内藤氏など審査委員が評価
内藤氏など審査委員が評価
左から、委員長を務めた建築家の内藤廣氏、河野晴彦・大成建設常務執行役員設計本部長、金子一弘・金子建築工業代表。このほか、宮沢洋・日経アーキテクチュア編集長、桑原豊・日経ホームビルダー編集長、小原隆・日経BPインフラ総合研究所上席研究員が審査に加わった(写真:都築 雅人)
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審査総評 内藤 廣 建築家・東京大学名誉教授 建築に対する本質的な問い掛け

 学生だった頃、つまり1970年代、建築の雑誌には新しい製品の広告が大量に掲載され、毎号毎号、それを見るだけでも楽しかった。時代の空気とシンクロするような製品開発の波。時にそれは掲載されている建築作品よりも刺激的だった。代表的なのが、吹き付け材、ビニールクロス、FRP(繊維強化プラスチック)の製品。60年代、アメリカから化学技術がもたらされ、あの時期は目に見えぬところで建設資材の化学革命が起きていた。

 あれから半世紀、今その勢いはない。その替わり、情報と環境の時代がやってきている。エコ、メンテナンス、IoT(モノのインターネット)などの情報先端技術、超高齢化社会、といったところが新たな建材の主要なテーマだろう。

 そんななかにあって、建物に新しい開口部をもたらそうという「レガリス」の挑戦には、心引かれるものがあった。ちょっと便利、ちょっと改良、というのではなくて、建築デザインに対する本質的な問い掛けであった。イノベーションに挑む姿勢に共感する。

 同様に、「タイベックシルバー」にも同じようなものを感じた。見えない部分ではあるが、建物の耐久性を左右する大切な部位の高性能化は、設計者や施工者にとってありがたい。

 「デカノキ すとっ葉゜ーU11号」は、なんとかなればいいな、と設計者なら誰でも考える困り事である軒どいの落ち葉対策。高齢化社会の戸建て住宅を考えれば、当然の試みだろう。

 「高断熱玄関ドアInnoBest D70 D50」は、これまで置き去りにされてきた玄関ドアの高断熱化の提案。わが国の住宅のエコもついにここまでたどり着いたか、と思わせる。