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 東京・赤坂のサントリーホールが、9月1日にリニューアルオープンした。1986年の開業から3度目の大改修となる。バリアフリー化を図ったほか、音響や照明の最新技術を盛り込んだ〔写真1〕。改修設計は安井建築設計事務所が統括。施工は、鹿島が2017年2月から約7カ月間かけて実施した。

〔写真1〕照明のLED化やスロープ増設を実現
大ホールの様子。トップライトやシャンデリアなど3割の照明をLED化した(写真:日経アーキテクチュア)
大ホールの様子。トップライトやシャンデリアなど3割の照明をLED化した(写真:日経アーキテクチュア)
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1階ホワイエに増設したスロープ(写真:日経アーキテクチュア)
1階ホワイエに増設したスロープ(写真:日経アーキテクチュア)
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 具体的には、1階ホワイエにスロープを2カ所増設。1階南側にウエストエントランスとエレベーターを新設し、来館者が段差のない通路を進めるようにした。大ホールの2階客席では、車いすスペースを2台分新設した。同ホールの市本徹雄総支配人は、「障害の有無や性別の違いによらず、誰もが使いやすい“ダイバーシティデザイン”への対応を求めた」と話す。

法改正で増築が実現

 これまでも同ホールは、段差解消機を設置するなどバリアフリー化を図ってきた。しかし、エレベーターの増設は、館内の意匠を犠牲にするなどの理由で踏み切れなかった。

 今回、エレベーターを増設できた背景には、12年9月に防災・減災施設に関する緩和条項が加わった法改正(建築基準法施行令2条1項4号、同3項)がある。備蓄倉庫面積を延べ面積から差し引くことができるようになったため、同ホールでは地下2階の一部を備蓄倉庫とし、その面積分367m2をエレベーターの新設などを含む増築に充てた。

 安井建築設計事務所の木村佐近専門役は、「10年先、その先も施設の設計や設備も含めて長期的に使えるようにした」と話す。

 このほか、客席や舞台照明のLED化や、デジタルサイネージ導入なども実施。音響や意匠の伝統を継承しつつ、最新技術も取り入れて競争力の高いホールへと生まれ変わった。