PR

 自民党の厚生労働部会は2月22日、受動喫煙防止対策を強化する健康増進法の改正案を了承した。医療・教育施設や官公庁などは敷地内を禁煙とし、事務所やホテルなどその他の施設は屋内で原則禁煙となる見込みだ。

 一方で、一定規模以下の既存飲食店については「喫煙」や「分煙」などの標識を掲示することで、屋内での喫煙を認める。法案は今通常国会に提出予定。成立すれば、2020年の東京五輪までに段階的に施行する考えだ。全面施行は20年4月1日を目指す。

喫煙専用室の基準も検討

 厚生労働省が1月30日に公表した法整備の骨格では、敷地内禁煙とする医療・教育施設、官公庁などについて、屋外に限り「受動喫煙を防止するために必要な措置」があれば喫煙場所を設置できるとした〔図1〕。

〔図1〕医療・教育施設、官公庁で敷地内禁煙
〔図1〕医療・教育施設、官公庁で敷地内禁煙
厚生労働省が1月30日に「法整備の骨格」として示した、施設ごとの受動喫煙防止対策案(出所:厚生労働省の資料を基に日経アーキテクチュアが作成)
[画像のクリックで拡大表示]

 屋内を原則禁煙としたその他施設は、喫煙専用室(室外への煙の流出防止措置を講じており、もっぱら喫煙を行うもの)内でのみ喫煙可能と明記。住宅や旅館・ホテルの客室など、私的な空間は適用除外とする。

 厚労省健康局健康課の黒田光代主査は、「屋外の喫煙場所については、人の出入りが少ない場所に設置したり、受動喫煙を防げるようにある程度区切ったりするなどの対応が必要になる。今後、喫煙専用室を含めてそれらの基準なども検討していく」と話す。

 例外的な措置を設ける既存飲食店について、喫煙を認める「一定規模以下」の線引きが、「客席面積100m2以下」かつ、「個人経営または資本金5000万円以下」になるという報道があるものの、2月23日時点では確定していない。

 厚労省はこれまでに、受動喫煙防止対策の強化に関する「基本的な考え方の案」を17年3月に公表。当時は既存飲食店の例外措置について「30m2以下」とする考えを示していた。だが、自民党との交渉が決裂し、改正法案は同年の国会提出に至らなかった経緯がある。

 1月30日に示した骨格には、飲食店など中小企業の事業主が喫煙専用室などを整備する際の支援措置も盛り込んだ。18年度の予算案として33億円を計上。自治体が屋外に分煙施設を整備する際は、地方財政措置による支援を行う考えだ。

 一方、五輪の主要開催都市となる東京都は、国に先行する形で「東京都受動喫煙防止条例(仮称)」の制定を目指していたが、厚労省が公表した骨格を受けて1月30日、2月開会の都議会への提出を見送った。都が17年度に実施した実態調査によると、100m2以下の「一般飲食店」は約80%に上る。