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2020年東京五輪を追い風にスポーツの成長産業化の機運が高まっている。政府は成長戦略で、25年までに20カ所のスタジアム・アリーナを整備する目標を掲げた。各地で相次ぐ計画に共通するキーワードは「稼げる施設」だ。

 スポーツが1つの文化として受け入れられている印象が強い米国ですら、「スポーツ施設に投じられる公的資金は、10年ほど前から激減した」。そう話すのは、ポピュラスのプリンシパル、ブラッド・アルバース氏だ(「メジャーリーグ球団が街をつくる」参照)。そうした環境下でも先進的な大規模プロジェクトが絶えないのは、観戦体験を重視した「観るスポーツ」という考え方を徹底して集客力を高めていることが大きい。

 一方、日本の大規模スポーツ施設は自治体が所有する公共施設であることが一般的で、公的負担の軽減や公益性の観点に比重が置かれる傾向が強かった。

 だが、その多くが少子高齢化や施設の老朽化の影響をもろに受け、地方財政を圧迫する「お荷物施設」になっているのが現状だ。地域のプロチームにとっては「使いづらく、客を呼べない」のが本音。こうした問題を打開してスポーツの成長産業化を図ろうと、政府が「スタジアム・アリーナ改革」を打ち出した。

 スポーツ庁と経済産業省は2016年11月、指針を公表。指針では、地域住民のためスポーツ施設を適切に区別することが大切だとしたうえで、集客施設であるスタジアム・アリーナについて「『観る』観点からの高付加価値のサービスを提供している施設は乏しかった」と指摘。地域活性化の起爆剤となる、「稼げる施設」への転換を求めた。17年6月には、国内外の事例などを盛り込んだガイドブックをまとめた。