PR

自己流編(2) 意匠性を重視した使い方を開拓
YUKI HAYAMA STUDIO、西ノ原の住宅、森林総合研究所九州支所共同特殊実験棟
設計:E.P.A 環境変換装置建築研究所

CLTが注目される前から、その特性に関心を持ち、独自の設計を開拓してきた設計者がいる。武松幸治氏は、意匠性や施工性を踏まえたCLT製品や接合金物の開発にも手を伸ばす。

 E.P.A環境変換装置建築研究所(東京都目黒区)の武松幸治代表は、国産品が市場で手に入る前からCLTに着目していた。「東京の建材展でオーストリア・KHL社のCLTを知った。片持ちでフラットスラブをつくれる面白い木質材料だと思った」

 武松代表は、すぐに静岡県御殿場市の別荘をCLTで設計した。幅2250mm、長さ最大9mのCLTを壁と屋根に用いるものだった。しかし、設計後に現場を再確認したところ、長さ40フィート(約12.2m)のコンテナが、直前の曲がり角を通過できないことが判明して断念した。「在来工法で設計し直したが建設費はほぼ同じだった。工期は、CLTで予定したよりも長くかかった」(武松代表)

 初めて実現したCLT構造の建築は、続いて設計した長崎県武雄市の「YUKI HAYAMA STUDIO」だ〔写真1〕。CLTはオーストリアから輸入した。当時はまだ、国内ではCLTは建築材料として規定されていなかった。しかし、CLTの材料となるラミナ(ひき板)の強度は示されており、そのデータをもとに壁量計算をして4号建築物として設計。14年8月に完成した。壁に載せた陸屋根のCLTは、最大4mほど片持ちで張り出した。

YUKI HAYAMA STUDIO
〔写真1〕最大4mの持ち出し
〔写真1〕最大4mの持ち出し
(撮影:畠山 直哉)
[画像のクリックで拡大表示]
2014年8月に完成したカフェ併設のギャラリー。屋根のCLTを最大で約4m持ち出した。開口部はカーテンウオール(撮影:畠山 直哉)
2014年8月に完成したカフェ併設のギャラリー。屋根のCLTを最大で約4m持ち出した。開口部はカーテンウオール(撮影:畠山 直哉)
[画像のクリックで拡大表示]