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利用者の動線を踏まえて、視線を誘導する光を配置したり、明るさに変化をつけて空間を印象的にしたりする。写真とは異なり、建築空間ではシークエンシャル(連続的)な光を考えることが重要だ。(日経アーキテクチュア)

 建築空間を映した美しい1枚の写真は印象的だが、人はその場にじっとたたずんでいるだけではない。目的に沿って視線を動かし、空間を移動する。空間を、前後の景色や体験との関係性とともに認識している。

 明るい屋外空間からトンネルのような空間に入って「なんだか薄暗いぞ」と感じ、トンネルを抜けると光で照らされた大きな壁面に迎えられて「おお!」と感嘆する。連続する空間にどのような光を与えるか、人にどこを見てもらうか、どう感じてもらうか。個別の空間ではなく場の連続性を考えることによって、利用者に様々な体験をもたらすことができる。

 施設のメーンとなる部屋をどう見せるかは重要だが、私たち照明デザイナーは、建築照明デザインに取り掛かる際、その空間単体だけではなく、施設の動線に沿って考えていく。例えば美術館であれば、展示室が中心となるが、同時に、そこに至るまでの空間を、エントランスからロビーを抜けてというように順を追って、光の在りようを想像していく。