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 福岡市は3月27日、大規模再開発計画「天神ビッグバン」の目玉となる旧大名小学校跡地活用事業で、積水ハウスを代表とする企業連合に優先交渉先を決定したと発表した。オフィスビル開発や「ザ・リッツ・カールトン」誘致などの提案が高評価につながったようだ。2022年12月ごろに施設のオープンを目指す。

 天神ビッグバンとは、天神駅を中心とする約80ヘクタールのエリアで、24年までに30棟の民間ビル建て替えを誘導する再開発計画だ。旧大名小跡地はそのうち最も西側にあり、市は「天神ビッグバンの西のゲート」と位置付ける〔図1〕。

〔図1〕「西のゲート」として位置付け
福岡市内の旧大名小学校跡地は、市が進める再開発計画「天神ビッグバン」の西端に位置する。優先交渉権者に選ばれた積水ハウスなどの企業連合が提案した完成イメージ(資料:福岡市)
福岡市内の旧大名小学校跡地は、市が進める再開発計画「天神ビッグバン」の西端に位置する。優先交渉権者に選ばれた積水ハウスなどの企業連合が提案した完成イメージ(資料:福岡市)
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天神ビッグバンの範囲と敷地を示した図(資料:福岡市)
天神ビッグバンの範囲と敷地を示した図(資料:福岡市)
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 敷地面積は1万1821m2。市は、地域行事や災害時の避難場所に使える約3000m2の広場のほか、公民館・老人いこいの家や多目的空間などの公共施設整備を要求。さらに、校舎の一部は保存。オフィスビルや「ハイクオリティホテル」などの導入も求めた。市が定期借地権を設定し、事業者が市に地代を支払う。

70年間の定期借地権

 優先交渉権者に決定した企業連合は、積水ハウスの他に、西日本鉄道や三菱地所、西部ガス、久米設計九州支社など計12社で構成される。企業連合が提案した定期借地権は70年間。地代から公共施設の賃料を差し引いた提案価格は5億8577万1000円だ。

 積水ハウス福岡マンション事業部の佐古田智哉設計長は、「ザ・リッツ・カールトンの誘致によって、世界各国の新たな利用客を迎えられる。新施設は今後、福岡市で開かれるコンベンションなどの促進の一翼を担えるだろう」と期待を寄せる。

 提案は、地上24階建てで高さ110mのオフィス・ホテル棟、地上18階建てで高さ62.8mのコミュニティ棟、広場と一体利用が可能なイベントホールなどを建設するもの〔図2〕。

〔図2〕花と緑で憩いの場に
広場を東側から見たときの完成イメージ。大名小学校の面影を残すため、校舎の一部を保存する(資料:福岡市)
広場を東側から見たときの完成イメージ。大名小学校の面影を残すため、校舎の一部を保存する(資料:福岡市)
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敷地の全体図。「都心部で憩いの場、そしてにぎわいの場として、花と緑に囲まれた空間を創造したい」と、佐古田設計長は説明する(資料:福岡市)
敷地の全体図。「都心部で憩いの場、そしてにぎわいの場として、花と緑に囲まれた空間を創造したい」と、佐古田設計長は説明する(資料:福岡市)
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 誘致した「ザ・リッツ・カールトン」は、全室50m2以上の客室を147室備える予定だ。積水ハウスはこれまでマリオットホテルグループと「ザ・リッツ・カールトン京都」(京都市、13年竣工)や「W OSAKA」(大阪市、21年開業予定)などのホテルを展開、計画してきた。「そうした経緯があり、今回も賛同してもらえた」と佐古田設計長は言う。

 オフィスのワンフロアは最大貸し付け面積約2500m2となる見込み。グローバル企業の入居を期待し、社員が住むマンション建設も計画。低層部には商業施設を配置する。

 コミュニティ棟には1階に「公民館・老人いこいの家」、多目的空間を配置する。2、3階に創業支援・人材施設、2階に保育施設、4~18階にレジデンスを入れる。

重松象平氏デザインのビルも

 天神ビッグバンでは、福岡地所が進める「天神ビジネスセンタープロジェクト」も注目だ。OMAパートナーの重松象平氏が建築デザインを手掛ける〔図3〕。当初は地下2階・地上16階建て、高さ約76mの規模で予定していたが、「17年9月に対象地の高さ制限が再緩和されたことを受け、地上19階建てに変更しようと福岡市や関係各所との調整を進めている」と福岡地所の担当者は言う。

〔図3〕天神には重松象平氏デザインのビルも進行中
(資料:福岡地所)
(資料:福岡地所)
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福岡地所の「天神ビジネスセンタープロジェクト」も2020年度以降の完成を目指す。OMAパートナーの重松象平氏がデザイン(資料:福岡地所)
福岡地所の「天神ビジネスセンタープロジェクト」も2020年度以降の完成を目指す。OMAパートナーの重松象平氏がデザイン(資料:福岡地所)
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 ビジネスと観光のニーズを狙い、天神エリアが大きく変わりそうだ。