建築の施工現場でロボット導入が本格化し始めた。技能労働者の不足や高齢化が深刻さを増すなか、現場の生産性を一気に高める切り札として期待されている。かつての反省を生かした「真の生産性革命」の実現に向けて、現場の戦力となるのは技能者と一緒に働ける「協調性」や多様な状況で使える「汎用性」を備えたロボットだ。大手建設会社各社の最新ロボットを徹底解剖する。
目次
- 動向 なぜ今ロボットか?
協調性と汎用性でリベンジ
- 施工 1 ROBO-BUDDY(ロボ バディ)(清水建設)
自分の目で判断する“多能工” - 施工 2 ROBO-WELDER(ロボ ウェルダー)(清水建設)
人の補助なしに連続自動溶接 - 施工 3 現場ロボット溶接工法(大林組)
どんな向きの溶接にも対応 - 施工 4 T-iROBO Remote Viewer(ティーアイロボ リモート ビューワー)(大成建設)
搭乗している感覚で重機を操縦
- 話題 施工現場以外でも活躍中
工場やメンテで「人にできない」任務 -
- 木造新生産システム(前田建設工業、千葉大学)
- CHERI(シェリ)(大成建設、千葉工業大学)
- moogle evo(モーグル エヴォ)(大和ハウス工業)
- 力触覚伝達遠隔操作システム(大成建設、イクシー)
- 搬送 5 ROBO-CARRIER(ロボ キャリア)(清水建設)
「3台連携」で人の動きを代替 - 搬送 6 ひもーん/7 かもーん/8 クローラーTO(トゥ)(竹中工務店)
見た目の“普通さ”で導入促す
- 清掃 9 T-iROBO Cleaner(ティーアイロボ クリーナー)(大成建設)
夜の現場を無人で清掃 - 清掃 10 TO(トゥ)ギャザー(竹中工務店)
ゴミのかき集めに絞り軽量化
- 専門誌編集長の視点 進藤智則 日経Robotics編集長
「移動アーム型」の普及がカギ