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5年前より平均年収が大幅に上がり、労働時間が短くなるも、やりがいや満足度は上がっていない。建設会社の年収が10年前を上回る一方で、設計事務所の年収は10年前のレベルに達していない。

V字回復した設計者の年収
3つの業種間では依然として格差

 2008年のリーマンショックのあおりを受け、13年の労働実態調査では、一級建築士の平均年収が600万円を下回った。その後、2011年の東日本大震災の復興や、2020年東京五輪開催の特需で建設投資は回復し、平均年収も持ち直した。

 18年調査の一級建築士の平均年収は680万円で、5年前の585万円より95万円増加。08年調査とほぼ同じ額となり、V字回復を果たした。

 回答者365人の勤務先は、大きく設計事務所、建設会社、住宅会社・工務店の3つに分かれる。それぞれの平均年収は5年前の1.1~1.2倍に増えた。建設会社は779万円で、住宅会社・工務店の667万円、設計事務所の634万円と続いた。過去2回の調査でも順位は同様だ〔図1〕。

〔図1〕勤務先別の年収比較
設計事務所は売り上げ規模問わず格差が大きい
設計事務所は売り上げ規模問わず格差が大きい
勤務先の売り上げ規模ごとに回答者の年収をプロットした。建設会社勤務者の平均年収が779万円で、設計事務所勤務者の平均年収を145万円上回った。設計事務所勤務者の年収は、売り上げ規模や立場によってばらつきが大きい(資料:日経アーキテクチュア)
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 売上高別の年収分布の傾向は、これら3つの業種ごとに異なる。設計事務所の場合は、売上高が高いほど年収が高いとは限らないようだ。売上高10億円未満の場合、年収150万円から2000万円まで、幅広く分布する。1000万円を超える高所得者も少なくないが、平均年収は634万円となった。一方、建設会社と住宅会社・工務店の場合は、売上高と年収の分布が比例傾向にある。