戸建て住宅の設計で、単に省エネ性能の数値を高めるだけなら、定番的な手法がいくつかある。だが顧客のニーズは必ずしも数値だけではない。意匠や間取り、採光・通風の良さ、耐震性や施工性など他の性能─。さまざまな与条件を設計者ならではの視点でさばき、省エネ性能のちょうど良い着地点を見つけた住宅例を紹介する。また記事末のインタビューでは、国の省エネ住宅普及策で近年注目が集まる「健康への効果」に関する最新の研究成果を専門家に聞く。顧客への提案で「健康」は、いま最も“旬”なキーワードだ。
目次
- case1 山形の家(山形市) 連続スリット窓が熱損失抑制
- case2 がんばり坂の家(浜松市) 築60年の古家を長期優良相当に
- case3 淡路島の住宅(兵庫県淡路市) 「瓦スキン」が温熱環境を調整
- case4 月寒西モデルハウス(札幌市) 施工性や販売戦略とも両立図る
- case5 フルイチチョウの家(奈良市) 「性能設計+職人技」でZEHに
- Interview 省エネ住宅普及の切り札は「健康」
伊香賀俊治氏 慶応義塾大学理工学部システムデザイン工学科教授
効果の科学的根拠が見えてきた