
2016年熊本地震
目次
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熊本県益城町、市街地に建築制限
県道拡幅して都市機能を集約する復興計画を決定
熊本地震で大きな被害を受けた熊本県益城町は2016年12月20日、復興計画を決定した。沿道で木造住宅の倒壊が目立った幹線道路の県道28号(熊本高森線)を拡幅し、商業や医療、サービスなどの都市機能を計画的に集約する。整備を円滑に進めるため、被災市街地復興推進地域を指定し、一定規模以上の建築を制限する。
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地盤と住宅被害の関係を独自調査、地盤品質判定士協議会
地盤品質判定士協議会は10月11日、東京都内で「熊本地震に関連した意見交換会」を開催した。東日本大震災と熊本地震双方の地盤災害の調査や復旧活動から得られた知見について参加者が意見交換し、判定士の技術力の向上を目指すことが目的だ。
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耐震基準強化は見送り
国交省が熊本地震の建築物被害を受けて対策方針
熊本地震での建物被害の原因分析を踏まえ、国土交通省は現行の耐震基準の強化は見送る方針を明らかにした。
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2000年木造基準の弱点をもっと現場に伝える努力を
「2000年基準で倒壊を含む被害を防いだことは確か。しかし、完璧ではないことも分かっていて、その点が表面化した」――。京都大学教授の五十田博さんに、「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」の報告書に記載しきれなかった教訓などを聞いた。
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熊本地震で食器一つ落ちなかった住宅とは?
熊本地震以来、繰り返しの地震に耐え、住み続けられる家づくりに対する意識が高まっている。その対策の一つとして注目されているのが制振システムだ。大地震動が繰り返し発生した場合、この制振システムを採用した家はどのような状態になるのか─―。その答えのヒントを探るべく、熊本地震に遭遇した制振住宅に住むAさんに…
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巨大なおひつ形建築で被災地に安らぎを
熊本市内の仮設住宅団地に、巨大なおひつの形をした建物が現れた。岡山県真庭市に拠点を置く家具メーカー佐田建美が開発した仮設建築「おひつの家」だ。
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木造で車椅子に対応、応急仮設住宅
熊本県は、車椅子利用者が暮らせるバリアフリー仕様の木造応急仮設住宅の整備を始めている。過去の災害ではなかった初の試みだ。
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「2000年基準は熊本地震の倒壊防止に有効」との結論
国土交通省が設置した、有識者による「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」が9月12日に開催され、報告書案が大筋で了承された。この報告書案から建築基準法の大きな改正はないと予想される。
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耐震等級3で1000万円の復興住宅を工務店が建設
木造応急仮設住宅の建設で活躍している熊本工務店ネットワークが熊本県の依頼を受けて、「くまもと型復興住宅」のモデルハウスを建設する。耐震等級3でZEHレベルの断熱性能を1000万円程度で実現する。
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「地盤が弱い氾濫平野は危険」を覆す地震被害が判明
日本建築学会大会の熊本地震災害調査報告会
熊本県益城町で、一般的に地盤が弱く揺れやすいと言われる「氾濫平野と旧河道」での建物の倒壊棟数と比べると、地盤がそれほど弱くないと言われる「河岸段丘の段丘面」のほうが倒壊棟数が多いことが分かった。
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文化財建造物の復旧に向け提言
国指定以外の文化財建造物の早期復旧が課題
熊本地震被災文化財建造物復旧支援委員会らは7月22日、国指定以外の文化財建造物を早期に再生するための提言をまとめた。文化庁が実施する2016年熊本地震・文化財ドクター派遣事業の中間報告会で発表した。
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避難所設備には優先順位を
文科省検討会が学校施設の災害対策で緊急提言案
文部科学省は、7月12日に開いた「熊本地震の被害を踏まえた学校施設の整備に関する検討会」(座長:長澤悟・東洋大学名誉教授)の第3回会合で、今後の学校施設の災害対策の基本方針を示す緊急提言の素案を示した。
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熊本地震の木造倒壊率は阪神を上回る
熊本地震で建物被害が集中した熊本県益城町の中心部で、日本建築学会が建物被害の割合を調べていた悉皆調査(しっかい)の新たな情報が公開された。木造の倒壊した割合は阪神大震災を上回った。
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阪神・淡路大震災の地震動で倒壊するか?耐震等級2の住宅
3Dシミュレーション(4)
熊本県益城町に建つ住宅Aは、2000年基準の耐震等級2に沿って建設されたが、熊本地震で倒壊した。日経ホームビルダーは住宅Aの耐震性能を確認するため、過去に甚大な被害をもたらした阪神・淡路大震災の地震動を入力して、挙動をシミュレーションした。
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建築基準法の地震動で倒壊するか?耐震等級2の住宅
3Dシミュレーション(3)
住宅Aは2000年基準の耐震等級2に沿って建設されて、熊本地震で倒壊した。日経ホームビルダーは、この住宅Aに建築基準法の極稀地震に相当する地震動を入力したらどのようになるかをシミュレーションした。
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学校の避難所利用に必要な機能とは?
文科省検討会が初会合、設備の不足や非構造部材の耐震化に課題
熊本県教育委員会が、熊本地震で避難所となった学校での施設面での課題について、該当する学校施設の設置者である県と市町村にアンケート調査を実施した。その結果、地震発生からの時系列でどのような設備が不足していたかが明らかになった。
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本震1回だけでは倒壊しなかった?耐震等級2の住宅
3Dシミュレーション(2)
住宅Aは2000年基準の耐震等級2に沿って建設されて、熊本地震で倒壊した。日経ホームビルダーは熊本地震の地震動と木造住宅の被害の関係を知るため、住宅Aを例に取り、本震1回だけでも倒壊するかどうかをシミュレーションした。
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耐震等級2の住宅の倒壊過程を動画で推定
3Dシミュレーション(1)
日経ホームビルダーは、熊本地震で実際に倒壊した耐震等級2の住宅Aを例に取り、観測された前震と本震の地震動を入力して倒壊までのプロセスをシミュレーションした。
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木造の仮設住宅、余震に備えて基礎に工夫
「木造の応急仮設住宅(仮設住宅)がほしい」─。熊本地震で被災した熊本県内の市町村の担当者から要望を受けて、木造仮設住宅の建設が急ピッチで進んでいる。
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「アートポリスは無駄ではなかった」、伊東氏語る
熊本県の全仮設住宅団地に「みんなの家」を建設
熊本県は応急仮設住宅約2000戸の建設に当たり、計40棟程度の「みんなの家」(木造の集会所もしくは談話室)を整備する計画だ。また、1住戸当たりの敷地面積を従来の約1.5倍に広げる。計画の中心になっている建築家の伊東豊雄氏や熊本県土木部建築住宅局長に経緯を聞いた。