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本震で倒壊した住宅が多い

 アパートの周りの地面には、大きな亀裂が南北方向に走っていた。前震について気象庁は、活断層が南北方向に引っ張られて動いた「横ずれ断層型の地震」と説明している。亀裂は活断層のずれと同じ向きになる。

アパートの周りの地面には、南北方向に亀裂が多数生じていた(写真:日経ホームビルダー)
アパートの周りの地面には、南北方向に亀裂が多数生じていた(写真:日経ホームビルダー)
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 アパートから離れると、家の外に避難している住民に出会った。家が倒壊したので、前夜は車中で過ごしたという。「自分の家は古いので前震で倒壊したが、周りは前震では自立していたものの、本震で倒壊した住宅が多い」と話す。探していたもう1棟について尋ねると、場所を教えてくれた。前震で倒壊したという。この住宅は、1階が崩壊して元の場所から2m以上移動していた。

1階がつぶれていた新耐震基準導入以降と思われる住宅(写真:日経ホームビルダー)
1階がつぶれていた新耐震基準導入以降と思われる住宅(写真:日経ホームビルダー)
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 使用されていた建材から、新耐震基準導入以降の住宅だと推定される。この住宅の外壁には、以前は接続していたと思われる母屋の跡があった。隣には旧耐震基準の古い母屋が、この住宅に倒れ掛かるように倒壊していた。

 調査を共にした耐震研究会代表理事の保坂貴司氏は、「古い母屋に新しい住宅を増築していて、地震で古い母屋が倒れた影響で増築部も被災したと思われる」と話す。

上の写真で示した住宅とつながっていたと思われる、旧耐震基準の古い母屋も倒壊している(写真:日経ホームビルダー)
上の写真で示した住宅とつながっていたと思われる、旧耐震基準の古い母屋も倒壊している(写真:日経ホームビルダー)
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 この住宅の向かい側には、使われている外装材から、新耐震基準導入以降と推定される住宅が建つ。隣の家が全壊した影響で外壁の一部が傷付いているが、そのほかの被害は目視では確認できなかった。

上の写真で示した住宅の向かい側に立つ、比較的新しい住宅。倒れた隣の家の影響で外壁の一部が傷付いたが、それ以外の建物被害は見られない(写真:日経ホームビルダー)
上の写真で示した住宅の向かい側に立つ、比較的新しい住宅。倒れた隣の家の影響で外壁の一部が傷付いたが、それ以外の建物被害は見られない(写真:日経ホームビルダー)
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 今回取材した限られた地域内でも、新耐震基準導入以降と思われる住宅で、前震で倒壊したものと、前震と本震を受けても被災が目視で確認できないものが存在していた。日経ホームビルダーでは引き続き、新耐震基準導入以降の住宅の被災状況の取材を進めていく。