熊本県は4月29日、同県西原村と甲佐町で計100戸の応急仮設住宅の建設に着手した。併せて、これら応急仮設住宅の建設に当たり、くまもとアートポリスコミッショナーである建築家・伊東豊雄氏の助言を受けながら、配置計画などを検討していくことを明らかにした。
第一弾となる応急仮設住宅の建設地や建設主体は以下のとおり。
(1)西原村小森団地(仮称)
所在地:西原村大字小森3157-1他
敷地面積:約5万m2
建設戸数:50戸(1期)
構造:木造
建設主体:熊本県優良住宅協会
完成予定時期:2016年6月中旬
(2)甲佐町白旗団地(仮称)
所在地:甲佐町大字早川2100-2(町営白旗グランド)
敷地面積:約1万5000m2
建設戸数:50戸(1期)
構造:鉄骨造
建設主体:一般社団法人プレハブ建築協会
完成予定時期:2016年6月中旬
県はこれらの建設に当たり、「被災された方々の痛みを最小化し、日常的なコミュニケーションが生まれるよう、熊本広域大水害などでの経験を生かして、くまもとアートポリスコミッショナーである建築家・伊東豊雄氏からの助言を受けながら、配置計画などを工夫して『みんなの家のある仮設住宅』づくりを進める」としている。
伊東氏は、1988年に始まった「くまもとアートポリス」の3代目コミッショナーで、2005年に就任した。県の言う「みんなの家」とは、地震や水害などの被災者に安らぎを感じてもらう空間として、県が伊東豊雄氏の助言を受けながら集会所や談話室を整備するもの。県は東日本大震災(2011年)の際に宮城県仙台市で初めて「みんなの家」を建設し、熊本広域大水害(2012年)では、2棟の「みんなの家」を熊本県阿蘇市に建設した。
伊東氏はこのほかにも、東日本大震災後に民間企業などから支援を募って数多くの「みんなの家」を実現してきた。(関連記事:みんなで支える「みんなの家」、釜石・宮城野を訪ねて)