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 熊本県は、車椅子利用者が暮らせるバリアフリー仕様の木造応急仮設住宅の整備を始めている。過去の災害ではなかった初の試みだ。

 既存の応急仮設住宅に入居しようとした車椅子利用者が、車椅子で室内を移動できないため、入居を断念したことを受けて対応した。

 プレハブでは段差を解消するのが難しいので、木造でつくる。県は全国木造建設事業協会に建設を依頼し、関連団体のJBN(全国工務店協会)に所属する熊本工務店ネットワーク(KKN)が設計・施工の実務に当たる。

 バリアフリー仕様は「簡易バリアフリータイプ」と「完全バリアフリータイプ」の二種類用意する。

 簡易バリアフリータイプは、住戸面積とプランはこれまでの応急仮設住宅住宅と同じだが、玄関や浴室の出入り口、室内の段差を無くし、建具は引き戸やジャロジーにする。

南阿蘇村下野山田仮設団地で建設中の簡易バリアフリータイプ。玄関ドアの代わりに引き戸の断熱サッシを採用し、玄関の上がり框をなくす。この現場はKKNのメンバーであるエバーフィールドが施工を手掛ける(写真:熊本工務店ネットワーク)
南阿蘇村下野山田仮設団地で建設中の簡易バリアフリータイプ。玄関ドアの代わりに引き戸の断熱サッシを採用し、玄関の上がり框をなくす。この現場はKKNのメンバーであるエバーフィールドが施工を手掛ける(写真:熊本工務店ネットワーク)
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簡易バリアフリータイプの平面図。住戸面積は従来仕様と同じで、左から9坪タイプ、6坪タイプ、12坪タイプになる(資料:熊本工務店ネットワーク)
簡易バリアフリータイプの平面図。住戸面積は従来仕様と同じで、左から9坪タイプ、6坪タイプ、12坪タイプになる(資料:熊本工務店ネットワーク)
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