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 微生物を使った自己治癒コンクリート技術を生み出したオランダ・デルフト工科大学のヘンドリック・ヨンカース准教授。日経ホームビルダーでは、同氏の独占インタビューを実施。この革新的な技術のメカニズムや開発に至った経緯を聞いた(前編はこちら)。

 インタビューの後編では、バクテリアを使った自己治癒コンクリートの性能やコストなどについて、説明してもらう。

――開発されたコンクリート技術は欧州で製品化されているそうですが、どのような製品なのでしょうか。

 3つの製品があります。自己治癒コンクリートに用いる混和材と既設コンクリートを補修するモルタル、ひび割れを補修する液体の補修材です。技術に関する特許を確立した後に、2014年にバジリスクというベンチャー企業を立ち上げ、製品の販売を開始しました。

デルフト工科大学のヘンドリック・ヨンカース准教授(写真:都築 雅人)
デルフト工科大学のヘンドリック・ヨンカース准教授(写真:都築 雅人)
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 1つ目の混和材は、コンクリート構造物を新設する際のコンクリート練り混ぜ時に加えます。オランダで建設された貯水タンクのプレキャストコンクリートとして試験的に採用された事例があります。

 直径18m、高さ7m、厚さ30cmのタンクで、壁体の一部に使っています。2016年に構造物が完成し、現在、施工後の状況をモニタリングしているところです。

オランダ国内で建設された貯水タンク。構造体に使用したコンクリートの一部を、生物を活用した自己治癒コンクリートにしている(写真:デルフト工科大学)
オランダ国内で建設された貯水タンク。構造体に使用したコンクリートの一部を、生物を活用した自己治癒コンクリートにしている(写真:デルフト工科大学)
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 補修用のモルタル材料も、実際の現場で施工事例があります。2015年に建設時点から漏水に悩まれさていたビルの地下壁面で採用しています。地下20mに及ぶ構造物でしたが、開発したモルタルを施工した後は、漏水が止まりました。