木構造の建設・部材製造を手掛けるシェルター(山形市)が、木造3時間耐火構造の開発にメドをつけた。2時間耐火構造を改良した試験体を用いた予備試験を2017年6月までに実施、従来の試験方法であれば耐火時間が3時間に達することを確かめた。3時間耐火は現行の建築基準法施行令が建物に求める耐火時間として最長で、国土交通大臣認定が交付されれば15階建て以上の計画にも木造が適用可能になり、階数の制限がなくなる。

試験炉へ柱部材のサンプルを設置した様子(写真:シェルター)
試験炉へ柱部材のサンプルを設置した様子(写真:シェルター)
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 シェルターの耐火部材「COOL WOOD(クールウッド)」は、17年3月までに柱、梁、床、間仕切り壁(耐力壁)、外壁で2時間耐火構造の大臣認定を取得した。耐火建築物において施行令107条が耐火性能を求めた部位としては、屋根や階段以外の全ての主要構造部だ。

 木造耐火構造は現在、日本木造住宅産業協会なども技術開発を進めているが、耐火時間はやはり2時間が最長。令107条は最上階から数えた階数が15以上の階の柱・梁について「3時間」を求めており、鉄骨造に比べて適用範囲が狭かった。近年、海外では木造高層建築の計画が相次いでいるが、国内ではこの法令が足かせとなっていた。

 今回、予備試験が実施されたのは「クールウッド」の柱と梁。日経アーキテクチュアの取材に対し、シェルターは柱の試験体について写真を公開した。

試験炉での燃焼の様子。燃えしろの表面材から炎が上がっている(写真:シェルター)
試験炉での燃焼の様子。燃えしろの表面材から炎が上がっている(写真:シェルター)
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 「クールウッド」の2時間耐火構造仕様は、柱材の四周に厚さ21mmの強化石こうボード3枚を重ねてステープル留めし、厚さ20mm以上の木製表面材で仕上げる。火災時はまず表面材が燃えて「燃えしろ」となり、さらに石こうボードが被覆内部の温度上昇を食い止める仕組みだ。今回の実験で用いたのは、強化石こうボード層を1枚増やした仕様。強化石こうボードは合計4枚で、表面材を含む被覆の厚さは1面当たり104mmということになる。