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「インバウンド3.0」は双方向

 では、来たるインバウンド3.0ではどのように変化していくのだろうか。

 「すべての人がインバウンドに関わるのが3.0だ。中央省庁は観光庁だけでなくすべての省庁が関わる必要がある。我々観光のプロがおもてなしを考えているのは当然として、一般市民が生きる道として観光を大きな手段ととらえるまでには至っていない。『来てください』だけのインバウンドでは駄目で、双方向のツーウェイツーリズムの時代がインバウンド3.0だ。2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでにやるべきだと標ぼうしている」(中村氏)

 これからのインバウンド戦略、観光立国戦略において最も重要なのが、親和性を意味する「アフィニティー」だと中村氏は語る。

 「アフィニティーの語源は『共通の起源に由来する密接な関係、親近感』だ。『彼らこそ私たちの暮らしを支えてくれる重要なパートナーなんだ』『人口減少する我が国にとって大事な人たちであり、また友だちを呼んでくれる未来の力なんだ』という認識のこと。(2015年に開催した第2回伊勢志摩サミットフォーラムで)これを県民に醸成することこそ、サミットのレガシー(遺産)になると提案した」(中村氏)

 インバウンド1.0はごく一部の観光業界が関係するものだったが、2.0では一般的なメーカーや小売業も関わるものになってきた。超高齢社会を迎え、「ものづくりの国、日本」から脱却して観光立国を実現するためには、一部の観光業界のおもてなしだけでは足りない。訪日観光客が気持ちよく過ごせるように国民一人ひとりが気を配り、ただ迎え入れるだけでなく多くの国を訪れること。それが持続可能なツーリズムを実現する。

 中村氏は「受け身の時代は昨年で終わった。今後は能動的、戦略的なプレーヤーのみが生き残り、成功する」という刺激的な言葉で講演を締めくくった。

「優勝劣敗」という言葉で講演を締めくくった(写真:安蔵 靖志)
「優勝劣敗」という言葉で講演を締めくくった(写真:安蔵 靖志)
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