PR

 建築研究所と芝浦工業大学、日本ツーバイフォー建築協会、西武建設は8月22日、ドローンを用いた中高層建築物の点検・維持管理手法の実証実験を共同で実施した。カメラを搭載したドローンによる外壁点検だけでなく、吹き付け機能を搭載した「補修ドローン」の可能性を検証。2020年を目途に、コンクリート補強材の吹き付けや塗装などでの実用化を目指す。

補修ドローンによる模擬実験の様子。8月22日に茨城県つくば市の建築研究所内にある実大実験棟で公開した。実験棟は国内最高階数の木造。ドローンによる点検・維持管理手法は木造に限らず、さまざまな構造に適用可能だ(写真:日経アーキテクチュア)
補修ドローンによる模擬実験の様子。8月22日に茨城県つくば市の建築研究所内にある実大実験棟で公開した。実験棟は国内最高階数の木造。ドローンによる点検・維持管理手法は木造に限らず、さまざまな構造に適用可能だ(写真:日経アーキテクチュア)
[画像のクリックで拡大表示]

 実証実験は、茨城県つくば市の建築研究所内にある実大実験棟で実施した。枠組み壁工法による地上6階建てで、高さは約17mだ。

 補修の実験で使用したドローンは、エンルート(埼玉県朝霞市)製の機体をベースに西武建設、芝浦工業大学伊代田研究室・長谷川研究室が共同開発したものだ。容量約2リットルのタンク、ポンプ機能、吹き付けノズルなどを搭載。吹き付けに最適な離隔距離をセンサーが識別してLEDライトの点灯で判別する機能も備えた。GPS(全地球測位システム)を利用しながら、コントローラーを使って人が無線操縦する。

補修ドローンの模擬実験では、水を吹き付けて検証した。建物との離隔距離は、約2~3m。操縦者は、ドローンに搭載したLEDランプで最適な離隔距離を確認しながら飛行させる(写真:日経アーキテクチュア)
補修ドローンの模擬実験では、水を吹き付けて検証した。建物との離隔距離は、約2~3m。操縦者は、ドローンに搭載したLEDランプで最適な離隔距離を確認しながら飛行させる(写真:日経アーキテクチュア)
[画像のクリックで拡大表示]
実験に使用した補修ドローン。エンルートが製造した機体をベースに開発した。西武建設などは、製品化を含めて検討を進めている(写真:日経アーキテクチュア)
実験に使用した補修ドローン。エンルートが製造した機体をベースに開発した。西武建設などは、製品化を含めて検討を進めている(写真:日経アーキテクチュア)
[画像のクリックで拡大表示]

 補修ドローンが実用化されれば、補修時に足場などを組まず簡易な工事で済むため、仮設費が削減できる。人による高所作業が不要になり、安全性も向上する。今後、機体の性能向上を図るとともに、塗布材に応じた吹き付け機能や適応可能な用途範囲などの検証を進める。

 西武建設土木事業部エンジニアリング部受注管理PJ室の二村憲太郎室長は、「2015年から開発に着手し、橋梁などでコンクリート表面含浸材を吹き付ける検証からスタートした。想像以上に反響が大きかった。建築分野を含めて汎用性は高いはずだ」と話す。