温暖な四国で省エネ住宅の実績を伸ばす石川組(香川県観音寺市)は、施工中に構造見学会を実施している。完成すると隠れてしまう建材を見せながら、涼しさや暖かさを体感してもらうのが狙いだ。加えて、宿泊体験型モデルハウスも用意している。省エネ住宅に興味を持った建て主に、その魅力を実感させる工夫を紹介する。
防湿・気密シートがむき出しのままの住宅の建設現場に、断熱材やサッシのサンプルが並ぶ。壁には高性能な省エネ住宅の特徴を説明するパネルが掛かっている。香川県を中心に「低燃費住宅」のブランド名で高性能な省エネ住宅を供給する石川組が開催する構造見学会の様子だ。
「施工段階でも当社の省エネ住宅なら、夏は涼しく、冬は暖かい。普通の住宅では考えられない」。石川組代表の石川義和さんは胸を張る。断熱にセルローズ・ファイバー吹き込みとロックウールの外張りを併用し、気密性能を示す隙間相当面積(C値)が0.3cm2/m2という値を実現した住宅ならではの演出だ。さらに、セルローズ・ファイバーの調湿効果や、欧州製の遮熱Low-E3層ガラスの樹脂サッシを使う理由など、建材の特徴を詳しく説明する。
「高性能の理由を知りたくて、構造見学会に参加する顧客は多い。だから、技術的な特徴を丁寧に説明する」(石川さん)。さらに、「『密閉していて息苦しい』『湿気が抜けない』など、高性能住宅を誤解している人もいる。きちんと説明する良い機会になる」と言う。