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 東京・六本木の国立新美術館で9月27日から「安藤忠雄展 挑戦」が始まる。建築展に先立ち、日建設計の山梨知彦氏(常務執行役員設計部門副統括)と安藤忠雄氏が初めて対談。その内容を日経アーキテクチュア9月14日号に掲載した。同じ内容を12月5日に発行予定の書籍「安藤忠雄の奇跡 50の建築×50の証言」(詳細はこちら )にも収録する予定だ。

 対談のなかで山梨氏は、兵庫県芦屋市に立つ「小篠邸」(1981年完成)を契機に、安藤建築は世界レベルでの挑戦へとステージが切り替わったと語った。ここでは、上述の書籍に掲載するファッションデザイナー、コシノヒロコ氏(「小篠邸」の建て主)に聞いたインタビュー内容を一部紹介する。(以上、日経アーキテクチュア)

兵庫県芦屋市に立つ「小篠邸」。1981年に完成し、その後、増改築を繰り返した(写真:安藤忠雄建築研究所)
兵庫県芦屋市に立つ「小篠邸」。1981年に完成し、その後、増改築を繰り返した(写真:安藤忠雄建築研究所)
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 安藤さんに設計してもらった自宅(小篠邸、1981年)を「KHギャラリー芦屋」としてオープンしたのは2013年5月。それまで暮らしていた30年余の間に、増改築を5、6回行った。自分の暮らしに合わせるための増改築は建築との格闘を示すものだが、建築に対してそれだけ愛着があるから格闘するわけで、事実、私は自分の家が好きだからずっと住んできた。愛着はひとしおだ。

ファッションデザイナーのコシノヒロコ氏。大阪生まれで、近年はアーティストとしても精力的に活動している。自身の作品を発表するスペースとして、2012年には銀座に、13年には芦屋に「KHギャラリー」をオープンした(写真:ヒロココシノ)
ファッションデザイナーのコシノヒロコ氏。大阪生まれで、近年はアーティストとしても精力的に活動している。自身の作品を発表するスペースとして、2012年には銀座に、13年には芦屋に「KHギャラリー」をオープンした(写真:ヒロココシノ)
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 安藤さんとはそろそろ50年近い付き合いになる。始まりは遊び仲間だった。同世代のデザイナーや建築家、写真家などが集まり、いつも20人くらいでにぎやかに過ごしていた。その頃の安藤さんはまだあまり目立たない存在だったが、あるとき「神戸の北野や帝塚山にちょっと面白い建築をつくった」と言うので写真を見せてもらったら、すごく素敵で、家を建てるなら設計は安藤さんに頼もうと思った。安藤さんが「住吉の長屋」(76年)で日本建築学会賞作品賞を受賞する前の話だ。