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発注者は気に入ったが…

 建物の発注者はファッションブランド「アバハウス」などを運営するアバハウスインターナショナル(東京都渋谷区)の関連会社、エーエイチアイ(同)で、現在も登記上の建物所有者だ。

 発注者は「コメントする立場にない」(アバハウスインターナショナル)として取材に応じなかったが、1審の事実認定によれば、竹中工務店に設計業務を依頼する一方で、確かに原告に外観デザインを依頼し、デザイン監修料も支払っていた。

 原告側が制作した提案はA3用紙11ページの図版と、模型1点からなる。1階をガラス張りとする、2階以上に外装スクリーンを設置するという構成は竹中工務店がまとめた基本計画案のままとして、外装スクリーン部分へ手を加えたものだ。

A3用紙に出力された提案書の一部。組亀甲柄を立体化した外装スクリーンを発想していた。 具体的な寸法などはこの後に煮詰めていくつもりだった(資料:照井信三建築研究所)
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A3用紙に出力された提案書の一部。組亀甲柄を立体化した外装スクリーンを発想していた。 具体的な寸法などはこの後に煮詰めていくつもりだった(資料:照井信三建築研究所)
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A3用紙に出力された提案書の一部。組亀甲柄を立体化した外装スクリーンを発想していた。 具体的な寸法などはこの後に煮詰めていくつもりだった(資料:照井信三建築研究所)

 原告である照井信三建築研究所の照井信三代表は本誌の取材に対し、「発注者は竹中工務店が提案した外装スクリーンにだけは、どうしても納得がいかないようだった。僕の模型を手にしたとき、『これだ!』と声を上げたのが忘れられない」と語る。

 ただ裁判所は2審でも、この提案の著作物性、建物における原告の共同著作者性などを認めなかった。

照井信三建築研究所の照井信三代表(写真:池谷 和浩)
照井信三建築研究所の照井信三代表(写真:池谷 和浩)
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