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 日建設計とソフトバンクがIoT(モノのインターネット)やロボットを活用した「次世代スマートビルディング」の共同開発に乗り出す。11月27日、両社が東京都千代田区で開いた記者会見で、業務提携に合意したと発表した。2017年夏ごろ、ソフトバンクが日建設計に業務提携を打診し、スマートビルディングの研究・開発を共同で取り組む体制が整った。18年早期にも、既存のオフィスビルなどで実証実験を開始する。

 実証実験では、環境センサーや人感センサーなどのIoTセンサーを使用し、温熱環境などが人に与える影響や人の位置情報・行動などのデータを収集・解析。各種IoTセンサーと清掃ロボットなどを融合し、消費電力量、設備管理、清掃、警備など建物のライフサイクルコスト(LCC)を総合的に最適化した新たなビルソリューションを構築する考えだ。

11月27日、東京都千代田区で開かれた記者会見の様子。左が日建設計の亀井忠夫社長、右がソフトバンクの今井康之副社長兼COO(写真:日経アーキテクチュア)
11月27日、東京都千代田区で開かれた記者会見の様子。左が日建設計の亀井忠夫社長、右がソフトバンクの今井康之副社長兼COO(写真:日経アーキテクチュア)
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 実証実験の結果などを踏まえ、IoT化を見据えた新築オフィスビルの設計や働き方改革をサポートする職場環境のデザイン、スマートシティーづくりなどにも生かす。

 ソフトバンクの今井康之副社長兼COOは提携の狙いについて、次のように語った。「耐用年数が60年のオフィスビルで、運用に掛かる費用は、建設費の約5倍といわれている。建築の運用部分に関しては、まだまだコスト削減できる仕掛けがある。今回の取り組みによって、少なくとも40%の運用費を削減したいと考えている。そのためにはまず、設計から運用までを見通した汎用性の高い仕組みをつくり上げていくことが重要だ。その仕組みを持って、ビルオーナーやビルユーザーに対してビジネスをしていくことになる。そうした意味で、多くの実績を持つ日建設計はオールマイティーだ」

 日建設計の亀井忠夫社長は、「建築や都市のビッグデータの重要性は事務所として認識していた。今回の業務提携は、そうした社内での動きを加速させるいい機会だと捉えている。中長期的には建物のIoT化は必須の領域。これをきっかけに先駆者として、様々な知見をためたい。これまでは一品ものの先進ビルをつくってきた側面が強いが、さらに汎用的に既存ビルを含めたIoT化を図ることで、新たなクライアントやビジネスが生まれることにも期待している」と語った。