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 建設業への新卒の入職者が増加傾向にあります。2016年は前年を若干、下回りましたが、最も少なかった09年の2.9万人に比べて3割以上多い3.9万人が建設業に就職しました。ただし、喜んでばかりはいられません。若手の離職者も増加傾向にあるからです。厚生労働省の調査によれば、例えば13年に大学を卒業して建設業に就職した人の30.4%が、3年以内に離職しています。これは製造業の18.7%、情報通信業の24.5%などに比べても大きい数字です。

 就職が「売り手市場」の様相を呈し、多くの業種や企業の中から就職先を選べる状況にあっても、以前より多くの若者が建設産業を選んでいるのです。そんなやる気のある若手の多くが、3年もしないで去って行くのは非常にもったいないことです。その原因はどこにあるのか、若手をつなぎ止めるには何を変えればいいのか――。日経コンストラクション7月24日号では、特集「若手を潰すな!」を企画し、その答えを探りました。

日経コンストラクション2017年7月24日号特集「若手を潰すな!」から
日経コンストラクション2017年7月24日号特集「若手を潰すな!」から
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 1つの答えと思われるのが、若手の面倒をこまめに見ることではないでしょうか。建設業では入社5~10年目ぐらいの若手が極端に少なく、新入社員の相談相手となる世代がごっそりと抜け落ちています。それぞれの現場や部署で、新入社員のすぐ上の先輩が40代というケースも珍しくありません。

 仕事ですから、どうしてもつらいことはあります。そんなとき、「頼りがいのある先輩がいること」が最も力になるのではないかと、個人的には思っています。ただ、前述のような年齢構成である以上、そううまくいかないのが現状です。建設会社や建設コンサルタント会社はそこを何とか補おうと、組織を挙げて若手を手厚くフォローする仕組みを設けています。また、若手自身も、「横のつながり」を求めて、他社の技術者と積極的に交流しています。特集記事ではこうした意欲的な取り組みを紹介しました。

 そして、もう1つ欠かせないのが、いま盛んに言われている「働き方改革」です。これまで建設業は、労使間で残業時間を取り決める「36(サブロク)協定」の上限規制の適用外でしたが、見直しの方針が決まっています。「働き方改革の重要性は分かるけど、現実は無理だよね」という考え方は、もはや通用しません。若手にとって魅力のある産業に転換しなければ、将来はありません。業界は違いますが、私自身も改めて肝に銘じておきたいと思います。