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「自動で点検、瞬時に診断」が現実のものに

 ただし、「ひび割れを判別できる精度で構造物の画像を撮影する」、「画像からひび割れを正確に検出する」、「ひび割れの状況を解析して余寿命を算出する」といった過程ごとに課題が存在します。例えばひび割れの検出に関しては、コンピューターにとってひび割れと目地の区別は簡単ではありません。余寿命の算出ではコンクリート床版を対象とした技術が開発されていますが、解析に数日を要するなど時間がかかりすぎるのが難点でした。

 ここで、AIの登場です。ひび割れと目地の違いの学習を積み重ねれば、両者を識別する精度が高まります。ひび割れのパターンと余寿命をセットにしたデータを蓄積して学習すれば、いちいち解析しなくても、画像から得たひび割れのパターンを基に余寿命を算出できるようになるはずです。これらの技術は徐々に確立されつつあります。「ロボットが自動的に点検をこなし、コンピューターで瞬時に診断を下す」という未来は、そう遠くないのかもしれません。

 なお、本特集は基本的に「AIを維持管理に活用する」という視点で描いていますが、AIそのものの基本や技術動向についても理解していただけるような構成になっています。維持管理に携わらない方も、AIの“入門書”として、特集記事をぜひお読みください。また、日経コンストラクションのウェブサイトではインフラとAIの融合を描く連載「誕生!インフラ×AI業界地図」を掲載しています(本誌購読者またはウェブ有料会員限定)。「業界地図」については、特集記事に合わせて最新情報にアップデートしました。そちらもご覧ください。

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