三井住友建設は、橋梁を自動で点検する自走式のロボットカメラを開発した。コンクリート製の壁高欄に設置して、橋の側面や底面を点検できる。
開発した自走式装置は、自走台車と伸縮するポールが付いたロボットカメラ、両者をつなぐ役割をする架台の3つの部材で構成される。台車部分を新たに開発し、架台を改造した。同社と日立産業制御ソリューションズ(茨城県日立市)が共同で開発し、2014年から販売しているロボットカメラを使用する。
装置の総重量は約50kgと軽量なので、人力による搬入が可能だ。2人で10分程度で組み立てられる。
従来のロボットカメラを使った点検では、その場で操作端末を見ながら損傷を探す方法が一般的だった。さらに、次の点検箇所まで人力でカメラを移動させる必要があり、設置、撮影、撤去の作業を繰り返さなければならなかった。
これに対して自走式装置を用いた場合、撮影と次の点検箇所への移動という一連の作業を自動で行うため、現場ではカメラの設置と撤去を一度実施するだけでよく、省力化につながる。