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 ここ数年で、社会インフラや公共事業を取り巻く環境が大きく変わりつつあります。東日本大震災や熊本地震、中央自動車道での天井板崩落事故など、社会に対してインフラの存在意義を問う出来事が立て続けに起こりました。従来、「ムダ」という文脈で語られる機会が少なくなかった土木の仕事ですが、人命や財産を守る仕事として、社会的意義が増しています。

 単にハードとしてのインフラを整備するだけでなく、人々の生活やまちづくり、国土の在り方について議論することも必要になっています。インフラのメンテナンスも喫緊の課題です。もはや土木の仕事は、「構造物をつくる」ことにとどまりません。ソフトも含めた様々な手立てを使って、社会問題を解決することこそが使命なのです。

 問題の解決は、建設産業の力だけでは不可能です。例えば、構造物にセンサーを取り付けて劣化状況を把握する、インフラの効率的な運用に向けてAI(人工知能)やビッグデータを活用するなど、他産業とのコラボレーションも盛んになってきました。土木の仕事のフィールドは従来にないスピードで広がり、若い力を生かせる場面が間違いなく増えています。

 土木には、おそらく皆さんが考えているより多くの面白い仕事があって、そこでは若い世代の技術者が生き生きと働いています。土木の総合情報誌「日経コンストラクション」では、そうした情報を学生の皆さんに少しでも知ってもらいたいという思いから、本書を発行しました。土木の仕事の内容を具体的に、またビジュアルをふんだんに用いて紹介するとともに、若手技術者がどんな思いを抱きながら仕事に向き合っているかを描きました。学生の皆さんに、少しでも土木の仕事を身近なもの、魅力あるものと感じてもらえれば幸いです。

日経コンストラクション編集長 野中 賢