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縦取りと横取りを連続して実施

 新たに架設した長さ約80mのトラスのうち、西側の長さ約14mは架設位置でベント架設した。一方、羽田線などをまたぐ東側の長さ約66mは、移動台車による送り出しで一括架設した。16年9月から仮設桟橋で地組みしていたものだ。

 トラスは橋軸方向への「縦取り」と橋軸直角方向の「横取り」を組み合わせて移動させる必要があった。この一括架設は、アーチを撤去した約1カ月後の16年11月28日夜から翌29日未明にかけて、羽田線を再び通行止めにして実施した。

■ トラス架設の手順(2016年11月28日夜~29日未明)
(資料:首都高速道路の資料をもとに日経コンストラクションが作成)
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(資料:首都高速道路の資料をもとに日経コンストラクションが作成)
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(資料:首都高速道路の資料をもとに日経コンストラクションが作成)
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 長さ約66m、鋼重約140tのトラスの移動には、常に2台の移動台車を使った。架設の各段階において、台車の配置や移動方向が異なる。

 まず、トラスを地組みした位置で、トラスの前方と後方を台車で支持し、横取りと縦取りによって、一括架設する当日の最初の位置へ移動。続いて、トラスの中央付近を別の台車で支え、前方の台車を撤去した。この際、トラスは前方に36mほど張り出した状態になる。トラスが転倒しないように、トラスの後方に60tのカウンターウエートを載せた。

 架設当日はまず、トラスをモノレールと羽田線の上空に張り出すような形で39m縦取り。トラス先端が反対側のヤードに待機していた台車に到達したところで、その台車にトラスの荷重を受け替え、中央の台車を切り離した。次に、トラスの前後を支える台車でさらに14m移動し、縦取りを完了した。その後、2台の台車を「縦取りモード」から「横取りモード」に変更して8.5m横取り。その日の移動作業を終えた。

 同じ日に縦取りと横取りを連続して実施するのは珍しい。「当初はトラスの降下作業まで一気に行う計画だった。しかし協議の結果、東京モノレール上の作業が午前1時から午前3時半までの2時間半に限られたので、降下と位置調整は後日に実施した」と小玉マネージャーは話す。

[移動台車]
ジャッキで浮かせて縦取り装置を切り離す

 トラスの一括架設に使った移動台車は、滑り装置に大瀧ジャッキが保有する「スライドベース」を活用した。H形鋼のレールの上で車輪を用いずに重量物を滑らせる装置だ。レールにクランプで固定したスライドジャッキと連結することで、トラスを載せた架台をレール方向に動かす。

縦取り中の移動台車(写真:首都高速道路会社)
縦取り中の移動台車(写真:首都高速道路会社)
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 スライドベースの特徴は、鉛直ストローク75mmのジャッキを備える点だ。本来は反力の調整を目的とする装置だが、JVは「縦取りモード」と「横取りモード」の切り替えシステムに応用した。

■ 移動台車の概要
■ 移動台車の概要
(資料:首都高速道路の資料をもとに日経コンストラクションが作成)
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 実際の施工で、移動台車のモードチェンジにかかった時間は20分程度。事前の予行よりも多少時間を要した。夜間で現場が暗く、台車が抱えてきた横取り用のレールを、構台上に固定したレールと位置合わせするのに手間取ったという。

(日経コンストラクション2017年3月13日号掲載)