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 日経コンストラクション11月27日号で取り上げた東京・中央区の朝潮運河に架かる「桜小橋」。ウェブ記事では施工秘話を前後編でお届けしている。後編では、仮設構台で製作したPC桁を、台船を用いて架設した話などに焦点を当てた(前編:スペシャルなコンクリートを造る)。

橋長87.8mの歩行者専用橋の桜小橋。写真奥が住宅密集地の勝どき地区(写真:安川 千秋)
橋長87.8mの歩行者専用橋の桜小橋。写真奥が住宅密集地の勝どき地区(写真:安川 千秋)
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厳しい架橋条件を乗り越える

 桁高1mという薄さが特徴の桜小橋。航路制限や縦断勾配などの厳しい制約条件をクリアする中から生まれたものであることは前編でもお伝えした通り。ただし、関係者の前に立ちはだかったのは設計時の制約条件というハードルだけではない。施工時の架橋も難題だった。

 施工箇所のうち、晴海地区側への車両の進入は歩道を横断しなければならない。この歩道は、朝夕に通勤客で大混雑する。また、住宅密集地の勝どき地区側は現況地盤面が護岸よりも低く、連続する堤防によって車両が護岸に進入できない。周囲には商業施設や住宅が近接しており、施工ヤードの確保も困難だった。

 そのため、晴海地区側と勝どき地区側それぞれの運河上に仮設構台を造り、その上でできるだけ工事を実施するようにした。大型の資材や機材の搬入は陸上ではなく、朝潮運河から台船によって海上運搬した。

 「勝どき側の工事区域は住宅地に近接するため、夜間騒音が発生しないように配慮した。側径間は打設にそれぞれ2日間かけ、昼間のみの施工とした。中央径間についても同様に、昼間の施工で台船架設する方法について検討を重ね、2日間で架設した」。三井住友建設東京土木支店の瀧本信春氏は、このように話す。

着工前。写真奥は動く歩道のあるトリトンブリッジ。写真右側の奥が勝どき地区だ。2棟のマンションの間から、写真左の晴海地区へと桜小橋を架けた(写真:三井住友建設)
着工前。写真奥は動く歩道のあるトリトンブリッジ。写真右側の奥が勝どき地区だ。2棟のマンションの間から、写真左の晴海地区へと桜小橋を架けた(写真:三井住友建設)
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写真左の晴海地区側と、右の勝どき地区側にそれぞれ仮設構台を造り、そこで多くの工事を実施した。写真は側径間の施工を経て、構台上で製作した中央径間のPC桁を台船で架設するところ。朝潮運河には多くの橋が架かり、大型の揚重クレーンを海上運搬することが難しく、台船での架設とした(写真:三井住友建設)
写真左の晴海地区側と、右の勝どき地区側にそれぞれ仮設構台を造り、そこで多くの工事を実施した。写真は側径間の施工を経て、構台上で製作した中央径間のPC桁を台船で架設するところ。朝潮運河には多くの橋が架かり、大型の揚重クレーンを海上運搬することが難しく、台船での架設とした(写真:三井住友建設)
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