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複数の産業遺産が世界遺産として正式に登録され、活気にあふれる長崎市。日経コンストラクション6月26日号の土木のチカラでは、夜景が望める同市の新たな観光名所として注目を集める「鍋冠山公園展望台」を取り上げた(プロジェクトの詳細は「5つの世界遺産を見渡せる新名所」を参照)。ここでは誌面で盛り込めなかった内容を加えて、鍋冠山公園展望台の設計の裏側をお届けする。

 世界遺産の「旧グラバー住宅」のあるグラバー園から南へ500m。緑で覆われた細い坂道を10分ほど上ると、リニューアルされた真っ白な鍋冠山公園展望台が姿を現す。標高169mと展望施設としては決して高くないが、その分、車の動線や港を行き交う船が見え、臨場感あふれる夜景を一望できる。

芝生の広場から見た鍋冠山公園展望台のデッキとスロープ(写真:イクマ サトシ)
芝生の広場から見た鍋冠山公園展望台のデッキとスロープ(写真:イクマ サトシ)
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 旧展望台は1972年の建造で、老朽化が目立っていた。円形ステージの展望デッキへは階段で上がるようになっており、車いすやベビーカーでは利用できず、バリアフリー化が求められていた。また、階段の踊り場が眺望スポットで、一度に10人ほどしか夜景を楽しめないといった不便さもあった。

 そこで市は展望台と周辺広場を含むリニューアルを実施し、昨年に展望台が、そして今年3月に駐車場や園路拡幅の一部が完成した。

旧展望台。眼下の景色が望めるスポットが限られていた。照明灯が少なく、防犯上の課題もあった(写真:長崎市)
旧展望台。眼下の景色が望めるスポットが限られていた。照明灯が少なく、防犯上の課題もあった(写真:長崎市)
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新展望台。眺望を確保するために、周囲の樹木を伐採したうえで写真手前側に7mほど張り出させた(写真:長崎市)
新展望台。眺望を確保するために、周囲の樹木を伐採したうえで写真手前側に7mほど張り出させた(写真:長崎市)
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