ジオテキスタイルで盛り土自体を強化

 浜松の事例で紹介したCSGのように、限られた土地で津波に対抗できるような施設を築く技術開発はほかにもあります。例えば、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)は竹中土木と共同で、三面を一体化した堤防を開発しました。

 堤防内側を構成する盛り土をジオテキスタイルで補強し、このジオテキスタイルを、堤体の表面を覆うプレキャスト製のコンクリートブロックにつなぎます。そして、ブロックの内側には透水しにくいセメント改良土を施工します。

 従来よりも強度が増す構造なので、急勾配での施工が可能となります。一般的な堤防で採用されている2割の勾配を、5分といった急勾配にできるので、使用材料や敷地を減らすことが可能になります。法面の片側を5分勾配にした場合、一般的な海岸堤防と比べて施工コストを約1割減らせる見込みです。

農業・食品産業技術総合研究機構などが開発した三面一体化堤防の実物大モデル。被覆ブロックは高さ30cm、幅2m、堤防高さ3mだ(写真:農研機構)
農業・食品産業技術総合研究機構などが開発した三面一体化堤防の実物大モデル。被覆ブロックは高さ30cm、幅2m、堤防高さ3mだ(写真:農研機構)
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 堤防ではないものの、鉄道総合技術研究所はジオテキスタイルを用いて長時間の津波越流に耐えられる鉄道盛り土構造を開発。鉄道構造物への適用を目指しています。

 新たに開発した工法は、ジオテキスタイルを盛り土内に敷いて耐震性を高めた「RRR工法」を発展させたものです。改良点は大きく二つ挙げられます。