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シート材でツヤツヤに

 その結果、品質評価結果と施工条件などの一部に相関性が認められました。例えば、表面の色つやでは、コンクリート温度や打設速度、打ち込みに要した時間、施工時の外気温、剥離材が大きな影響をもたらしていたのです。

表層品質と施工条件などを分析する手法。鹿島の資料をもとに日経コンストラクションが作成
表層品質と施工条件などを分析する手法。鹿島の資料をもとに日経コンストラクションが作成
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 施工品質に及ぼす施工条件などがデータとして明確になると、対策を講じやすくなります。国分工事でも剥離材の塗布方法を改める取り組みなどを進めたことによって、コンクリート表層の施工品質を向上できました。

 こうしたコンクリートの表層管理による品質評価は、発注機関も着目し始めています。例えば、国土交通省東北地方整備局では、コンクリート構造物の建設に当たって、表層の見栄えでコンクリートの品質を判断して得られた改善点を、次の打設サイクルに生かす「目視評価法」の導入を図っています。

 鹿島では、表層の見栄えを高める具体的な手立ても編み出しています。積水成型工業(大阪市)、東京大学の石田哲也教授と共同で、コンクリートの養生プロセスを改善して表層品質を高める「美シール工法」を開発したのです。

 コンクリートの打設時に、合板型枠の内側に厚さ0.2mmの熱可塑性樹脂のシート材を貼り付けて、コンクリートの表層品質を高める技術です。普通コンクリートでも、つやのある密実な仕上がりが得られます。

開発した工法で作成したコンクリートは光沢を放っているものの、表面にシートなどを貼り付けているわけではない(写真:鹿島)
開発した工法で作成したコンクリートは光沢を放っているものの、表面にシートなどを貼り付けているわけではない(写真:鹿島)
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合成型枠で打設したコンクリート。表面につやなどが出ていない(写真:鹿島)
合成型枠で打設したコンクリート。表面につやなどが出ていない(写真:鹿島)
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