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1m2当たり1000円以内に

 これまで、水セメント比が50%程度の普通コンクリートを合板型枠で打設した場合、水セメント比の小さい高強度コンクリートを用いたときのような、表面につやが出るほどの仕上がりを実現することは困難でした。

 鹿島らは、水セメント比が大きい普通コンクリートではコンクリート中の水が分離して、表層の仕上がり品質を高めるうえで必要な表層付近の水分量を保ちにくいと想定。開発した工法では、型枠に貼るシート材に高い撥水性を持たせ、シート材と接したコンクリート中の水分を内部にとどめるようにしたのです。その結果、表層のコンクリートが密実に仕上がるようになりました。

撥水性の高いシート材。型枠に貼り付けて使用する(写真:鹿島)
撥水性の高いシート材。型枠に貼り付けて使用する(写真:鹿島)
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 シート材は、養生完了後に躯体から剥がして処分します。樹脂に傷が付くとコンクリート表層の施工品質に悪影響を及ぼすので、転用を避け、新品で施工するようにしました。

 シートの貼り付け作業に伴うコストは、材料費と施工費を含めて1m2当たり1000円以内に収める方針です。開発した工法ではシートを合板型枠に貼り付ける作業が生じるものの、型枠の清掃や剥離材の塗布といった作業は不要になります。

 加えて、型枠を傷めにくいので、型枠自体の転用回数を増やせます。こうした点も踏まえ、鹿島では開発した工法のコストを従来の工法以下に抑えられるとみています。

 新しい工法で硬化させたコンクリートが実現した品質改善の度合いを確認したところ、中性化速度を低下させることが判明しています。

中性化抵抗性の比較。カッコ内の数字は養生日数。中性化速度係数が小さいほど、中性化に対する抵抗性が大きい(資料:鹿島)
中性化抵抗性の比較。カッコ内の数字は養生日数。中性化速度係数が小さいほど、中性化に対する抵抗性が大きい(資料:鹿島)
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 コンクリート表層の仕上がりを保つうえで肝となる養生に着目したのは鹿島だけではありません。スリーエムジャパンは、コンクリート床版などの保水養生の管理を容易にするシート材「3Mコンクリート給水養生用水搬送シート1117」を開発しました。