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(イラスト:山田 タクヒロ)
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 工事・業務における事務所長表彰の候補は成績78点以上、局長表彰は80点以上──。国土交通省は明確な表彰基準を公表していないが、業界では長い間、「78点」と「80点」を目安としていた。それが近年、変わりつつある。

 「80点を取っても局長表彰をもらえないケースが増えてきた」。

 ある地方建設会社の社長はぼやく。それもそのはず。80点以上の成績が付く工事が昔と比べて格段に増え、表彰の基準が高まっているためだ。業務でも、同様の声が寄せられている。

 国交省の各地方整備局が2015年度に公表した工事成績ランキングでは、80点超えの企業がずらりと並ぶ。その数は実に200社以上(地整間の重複含む)に上る。ここ数年は右肩上がりで、12年度と比べると2倍以上に増加した。

国土交通省の工事成績80点以上の企業数
各地方整備局発注工事(土木関係)の年間平均点80点以上の企業数。国土交通省の「工事成績ランキング」をもとに、日経コンストラクションが作成
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 業務に関してはランキングを公表していないが、平均点は右肩上がりで上昇している。14年度の国交省全体の平均点は76.6点と、5年前に比べて1.2点アップした。

 成績の高まりは、05年の「公共工事の品質確保の促進に関する法律」(品確法)の施行に伴って、受注者が品質の向上に取り組んできた努力のたまものだとみる向きがある。もちろんそれもあるだろうが、大多数の受注者の本音は異なる。成績が次の入札の勝敗に直結するから、懸命に取り組んでいるのだ。

 成績争いが加速する大きなきっかけとなったのが、総合評価落札方式の「二極化」だ。新方式の導入が始まった13年度以降、規模が比較的小さい大多数の工事に適用する施工能力評価型の入札で、成績評定点の重み付けが増した。

 施工能力評価型は、簡易な施工計画を求める従来の簡易型に該当する。施工計画の点数化を廃止し、その配点を実績や成績に振り分けた。

 国交省のガイドラインでは、施工能力評価型の技術者・企業の実績と成績の配点比率は同じだが、運用状況をみると総じて成績の比率の方が高い。さらに、表彰などの配点を含めると、価格以外の評価点の5割近くを、成績評定点関連の項目が占めている。

「二極化」前後の総合評価落札方式の配点比率
 「二極化」前後の総合評価落札方式の配点比率
簡易型は8地方整備局、施工能力評価型は8地整に加え北海道開発局と内閣府沖縄総合事務局の配点比率の平均。「直轄工事における総合評価落札方式の実施状況」(2010年度年次報告)と15年3月の「総合評価落札方式の活用・改善等による品質確保に関する懇談会」の資料をもとに日経コンストラクションが作成
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