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 国土交通省関東地方整備局は10月19日、関東・東北豪雨で延長200mにわたって決壊した鬼怒川堤防の本復旧について、堤体を決壊前より最大で1.4mかさ上げし、鋼矢板で川表側に浸透対策を施すことなどを明らかにした。同日に開催した鬼怒川堤防調査委員会の第3回会合で提示した。

鬼怒川堤防の決壊箇所の本復旧
鬼怒川堤防の決壊箇所の本復旧
国土交通省関東地方整備局の資料をもとに日経コンストラクションが作成
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 関東地整は堤防決壊を受け、9月下旬に有識者による調査委員会を設置し、決壊原因の究明と復旧方法の検討を進めてきた。

川表法面に遮水シート

 調査委員会は、越水によって川裏側の法面侵食と法尻洗掘が進んだことが、決壊に至った主な原因と推定。さらに、自然堤防としてもともと存在していた堤体内の砂質土層が「水みち」となって河川水が川裏側に抜け出る「パイピング」が起こり、決壊を助長した可能性も否定できないと指摘した。一方、川表側の侵食については、決壊の原因となった可能性は低いとしている。

 関東地整は越水対策として、計画高水位に1.5mの余裕高を加えた計画堤防高を確保するように、堤防をかさ上げする。決壊前に3~4mだった天端の幅は6mに、約30mだった裾野の幅は50mに広げる。

 浸透対策では、鋼矢板による遮水のほか、川表法面に遮水シートとコンクリートブロックを敷設する。川裏側には、堤体内の雨水を排出するよう、法尻部にドレーン工を施す。

 今後の本復旧について、関東地整は委員会後の会見で、「できる限り速やかに進める」(河川部)と述べるにとどめ、着工や完成の具体的な時期は明らかにしていない。