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ICT土工i-Construction普及加速事業MC・MG

 品質向上や工期短縮などの効果が認められながら、なかなか普及しなかった情報化施工が、ここにきて広がりを見せている。

 国土交通省が「i-Construction」の目玉として、直轄工事を対象にICT(情報通信技術)土工の普及を推進しているからだ。対象工事は2016年度だけで1080件以上。同年11月18日時点で、372件の現場がICT土工に取り組んでいる。

 ネックだった導入費を支援することにしたほか、工事成績評定で加点するといったメリットも相まって件数が伸びた。施工者の大半は地場の建設会社。全体の8割以上を占める。

 同省は17年度以降、自治体が発注した工事でもICT土工を採用するよう後押しする考えだ。「i-Construction普及加速事業」と題して、17年度予算に3800万円を計上した。工事を受注した中小建設会社に対して機材を貸与したり、施工計画の立案を支援したりする予定だ。このほか、土工事以外の工種にもICTの活用を広げる。舗装や浚渫(しゅんせつ)など、活用しがいのある分野は多そうだ。

基礎工事などにも広がり

 情報化施工の代表的な要素技術といえば、重機の位置情報と設計データをオペレーターに提供するマシンガイダンス(MG)や、設計データをもとに重機を自動制御するマシンコントロール(MC)。土工事にとどまらず、様々な工種で技術開発が進んでいる。

 安藤ハザマが開発したのは、MCを搭載した油圧ショベルにツインヘッダーと呼ぶ切削機を取り付け、硬い地盤を掘削して法面を整形する技術。施工時間を2割ほど短縮できるほか、従来と比べて凹凸が少ない法面を整形できる(図1)。

図1 ■ ツインヘッダーとMCの合わせ技で硬い地盤を成形
図1 ■ ツインヘッダーとMCの合わせ技で硬い地盤を成形
上はツインヘッダーを取り付けた油圧ショベルで法面を整形する様子。左は運転席のモニターのイメージ。設計データとのずれを数値で確認できる(写真・資料:安藤ハザマ)
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 日本マルチメディア・エクイップメント(東京都千代田区)は、基礎工事向けのMGを開発した。専用の機器をオーガーヘッドやロッドに取り付けて使用する(図2)。

図2 ■ オーガーの先端の傾斜を計測して表示
図2 ■ オーガーの先端の傾斜を計測して表示
左上はオーガーヘッドの傾斜を表示した画面。左下は開発した計測機器。計測精度は地下10mの位置で誤差10mm程度だ(写真・資料:日本マルチメディア・エクイップメント)
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 機器に搭載した高精度傾斜計で、掘削中のオーガーの先端部分の傾斜を計測。データをマイクロ波による無線通信で地上に伝送し、運転席の画面上でリアルタイムに確認できる。都市部の地中連続壁工事などでの利用を想定している。

 熟練オペレーターの不足や、現場の生産性向上に関する機運の高まりを受けて、情報化施工に関する技術開発はますます活発になりそうだ。