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土木の現場、とりわけ維持管理にAI(人工知能)を適用する動きが盛んだ。社会生活と経済活動を縁の下で支える土木と、クルマの自動運転から医療、囲碁に至るまで話題に事欠かないAI──。ミスマッチなカップルのようにも見えるが、その実、両者は相思相愛だ。

図1 ■ インフラ×AI事例マップ(事業フェーズ別)
図1 ■ インフラ×AI事例マップ(事業フェーズ別)
各社の報道発表資料や研究論文、取材を基に、AIを用いた研究開発やサービスをまとめた。土木だけでなく、建築やプラントなどの周辺分野も含めた。事業のフェーズに合わせて、調査、計画・設計、施工、維持管理、施設運営に分類している。共同研究・開発者については一部省略して示した
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 世は空前のAI(人工知能)ブーム。土木とその周辺分野でも、AI関連の研究や技術開発が盛り上がりを見せている。上の図1は、日経コンストラクションが取材や報道発表資料、論文などを基に作成したAIの開発事例マップだ。多様な企業や研究機関がしのぎを削る様子がうかがえる。

 大手建設会社やインフラ企業がAIの活用を経営戦略の柱に据え始めたのは、おおむね2016年以降。例えば大林組は17年3月24日に発表した21年度までの中期経営計画で、「AIを駆使した生産性の向上」を建設分野の事業戦略に位置付けた。

 阪神高速道路会社は16年4月、グループの将来像を描いた「阪神高速グループビジョン2030」で、AIによる交通制御の高度化を掲げた。道路の維持管理の効率化にも取り組む。JR東日本も16年11月に作成した「技術革新中長期ビジョン」で、安全確保や維持管理にAIを活用する方針を示した。

 シンクタンクのEY総合研究所(17年6月30日に解散)が15年9月に発表したリポートでは、AI関連産業の国内市場規模が30年に86兆9600億円に拡大すると予測した(図2)。建設分野はこのうち約6兆円を占める有望分野。技術に対する感度が高い建設関連企業は、IT企業とタッグを組んで開発したAIを、現場へ導入しようと模索し始めている。

図2 ■ AI関連の市場規模予測(産業別)
図2 ■ AI関連の市場規模予測(産業別)
EY総合研究所の資料を基に日経コンストラクションが作成(同研究所は2017年6月30日に解散)
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