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Q6 そもそもディープラーニングでなくちゃダメ?

 AIを使って解決したい課題の内容によっては、必ずしもディープラーニングを用いる必要はない。既存の機械学習の手法で十分に対応できる場合がある(図4)。

図4 ■ AI関連技術の関係
図4 ■ AI関連技術の関係
手法によっては、別のカテゴリーに分類されるケースもあるほか、複数の手法を組み合わせる研究も盛んだ
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 学習に使える手持ちのデータの量や質にもよる。一般に、ディープラーニングを用いると従来の機械学習に比べて精度を上げることができる。ただし、教師データを大量に用意しなければならないデメリットもある。

 対象が犬や猫であれば、インターネット上に大量にある画像を利用できるが、舗装のポットホールやコンクリートのひび割れを撮影した画像を大量にそろえるのは、かなり大変だ。このため、ディープラーニングの適用が難しい場合が少なくない。

 一方、こうした課題を解決するために、教師データの不足を補う手法の開発も進んでいる。例えば東芝デジタルソリューションズは、教師データ自体をディープラーニングで生成し、送電線の点検システムの構築に生かしている(PART3 事例総覧「ドローンで送電線点検、データ不足もAIが解決」参照)。

知っておきたいその他のキーワード
▼チャットボット

AIを組み込んだ自動会話プログラム。米アップルの「Siri」や、米アマゾン・ドット・コムの「Alexa」が有名だ。金融機関などで、顧客の問い合わせに自動回答するサービスが始まるなど、注目分野の代表格

▼TensorFlow(テンソルフロー)

米グーグルが2015年末に無料公開した、機械学習向けのソフトウエアライブラリ(プログラム開発で使用頻度が高い関数などの「部品」を集めたもの)。ディープラーニングを応用したシステム開発などに広く利用されている

▼GPU(ジーピーユー)

リアルタイムな画像処理に適した半導体で、「Graphics Processing Unit」の略称。3Dゲーム向けに使われてきた。大量のデータの並列処理にたけているため、AI用の半導体として普及が進む。米エヌビディア(NVIDIA)が開発を主導する

▼汎用AI、特化型AI

幅広い用途に使えるのが汎用AI、特定の課題を解くためのAIが特化型AI。建設分野をはじめ、産業向けに開発が進むAIは、現状では全て特化型AIに当たる

▼Singularity(シンギュラリティー)

AIが人類の知能を超越する局面と、それによって起こる出来事を指し、「技術的特異点」と訳される。米国の未来学者、レイ・カーツワイルが提唱した概念で、2045年に訪れると予言した