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いもと・つよし<br />高校を卒業後、コンピューター専門学校でAIを学ぶ。フリーのエンジニアなどを経て2016年3月にAIエンジンの開発を請け負う9DWを設立。従業員は30人を超える。医療や畜産、ゲーム、金融、運送・配送など、分野を問わずAIを活用したシステム開発を手がけている(写真:日経コンストラクション)
いもと・つよし
高校を卒業後、コンピューター専門学校でAIを学ぶ。フリーのエンジニアなどを経て2016年3月にAIエンジンの開発を請け負う9DWを設立。従業員は30人を超える。医療や畜産、ゲーム、金融、運送・配送など、分野を問わずAIを活用したシステム開発を手がけている(写真:日経コンストラクション)
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9DW社長 井元 剛氏

──AIを自動設計に使いたいというニーズがあります。そのようなことは可能なのでしょうか。

 できるかもしれません。当社では、3次元データを2次元データに圧縮するなどしてニューラルネットワークに入力・学習させて、新たな3次元モデルを自動生成する技術を持っています。

 この技術を応用したのが、歯科技工物(詰め物や入れ歯など)のデザインです(図1)。様々な症例をAIに学習させることで、患者の歯の特徴に合わせて欠損した部分を補完するのです。

図1■ AIが出力した補綴物(かぶせ物)のデザイン(中央の他と色が異なる歯)。約1万パターンの症例を学習させることで、患者の歯の形状や大きさに見合ったものを出力する。デンタルサポート(千葉市)から受注して、システムを開発中だ(資料:9DW)
図1■ AIが出力した補綴物(かぶせ物)のデザイン(中央の他と色が異なる歯)。約1万パターンの症例を学習させることで、患者の歯の形状や大きさに見合ったものを出力する。デンタルサポート(千葉市)から受注して、システムを開発中だ(資料:9DW)
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 患者の歯型を取ってデジタル化し、歯科技工士がCADを使って欠損部分を設計するやり方が浸透してきていますが、1つ歯のデザインに15分程度はかかります。AIなら20秒程度でできますから、大幅な省力化につながります。

──土木にも応用できそうです。

 実は今、この技術を2016年の熊本地震で崩れた熊本城の石垣の修復に使えないかという話が持ち上がっています。地震で失われたり、欠けたりした積み石の3次元モデルを生成、補完してやるのです。3次元モデルが生成できれば、特殊なスキルがない職人さんでも容易に加工できます。修復に要する時間を大幅に短縮できる可能性があります。

 このほか、防波堤の設計などに応用できるかもしれません。湾内の地形データや過去の気象データ、被災履歴などを学習させて、より良い防波堤のデザインをAIに生成させるのです。

──既に建設会社などと共同で開発している事例はありますか?

 今のところ具体的にはありませんが、もちろん関心はありますよ。

 創業して1年半。当初は我々の技術力を分かってもらえず、受注に苦労しましたが、今では様々な大学や企業から引き合いがくるようになりました。今後はそうしたパートナーとの共同研究・開発を通じでさらに技術を磨いていきたいです。