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監理技術者制度が足かせに 岡本 己勝(63、建設会社)

 建設業界が監理技術者制度に翻弄されている。人材不足が続く状況のなかで、建設会社の企業人事を拘束し、応札や工事運営における「足かせ」になってきている。

 現行制度は一定規模以上の工事では、監理技術者に選任された社員は工期中拘束され、他工事との兼任や別の技術者との交代が許されない。

 社内の技術者の数は有限だ。細かく定量的に規定された工事要件を満たす技術者となれば、なおさら少ない。応札時に配置可能な技術者を確保できず、断念することもある。

 長期の拘束は、若手技術者の退職要因の1つにもなっている。特に全国展開する建設会社の技術者は、いつ遠隔地の現場に監理技術者として配属されるか分からない。家族と共に生活するといった基本的な人生設計が描けないことを不安に思っている。さらに、こうした現状が学生の建設業界離れにも影響を及ぼしていると確信する。

 建設業界の安定した未来と、公共工事の品質確保のためにも、制度を変えていく時期ではないだろうか。例えばこんなふうに。

 (1)発注者は入札の審査において、応札企業の実績と「品質・工程・安全・経理」といった保証能力の可否に重点を置き、特定の配置技術者の登録を求めない。

 (2)受注者は、受注後に一定のマネジメント能力を持つ社員の中から監理技術者を選任して工事の指揮を取らせるとともに、企業内にも工事を支援する専門チームを組織して登録する。つまり、チームで監理技術者を務める。

 (3)コンストラクション・マネジメント(CM)担当会社の参加を認め、受注者責任のもとでCM担当会社からの監理技術者選任を可能とする。

 「産官学」で知恵を絞り、今後10年先を見据えた抜本的な制度改革をできるだけ早期に実現することを期待する。