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東京外かく環状道路(外環道)都内区間の中央ジャンクション(JCT)地中拡幅工事で談合疑惑が持ち上がり、契約中止に追い込まれた。技術提案の評価を基に選定した会社と、価格競争を経ずに随意契約を結ぶ「技術提案・交渉方式」を採用した案件だ。工法の選定と施工者の選定が密接に関わる特殊なプロセスのなか、透明性・競争性を軽視してきたツケが回ってきた。

 1兆6000億円もの総事業費が見込まれる外環道の都内区間。大泉JCTから東名JCTまでの約16kmの区間で、大深度地下にシールドトンネルを築く。事業の施行は、国土交通省と東日本、中日本の両高速道路会社が分担している。

 4工区に分けた本線のシールドトンネル工事は、既に施工者が決まっている。中日本高速が担当する北行きのトンネルのうち、東名側の約9kmは大林組を代表とするJV、大泉側の約7kmは大成建設JVが受注した。東日本高速の南行きトンネルは、東名側が鹿島JV、大泉側が清水建設JVだ(図1、2、3)。

図1■外環道都内区間の位置図
図1■外環道都内区間の位置図
(図:国土交通省や高速道路会社の資料を基に日経コンストラクションが作成)
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図2■地中拡幅部の概要
図2■地中拡幅部の概要
地中に分岐・合流部を構築するために、本線とランプ(連結路)それぞれのシールドトンネルをつなぐ箇所を地中で拡幅する(図:国土交通省や高速道路会社の資料を基に日経コンストラクションが作成)
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図3■トンネル本線と地中拡幅部の工区と施工者
図3■トンネル本線と地中拡幅部の工区と施工者
(図:国土交通省や高速道路会社の資料を基に日経コンストラクションが作成)
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 大手4社をそれぞれ代表とするJVが、うまい具合に1工区ずつ受注したのには訳がある。同じ日に実施する複数の入札案件で時間をずらして開札し、ある案件で落札した参加者は、その後に開札する案件では選定から外す「一抜け方式」を採用したからだ。4件の入札に4者が参加する場合、参加者は必ずどれか一つを落札できる。

 外環道の大深度地下トンネルのように大規模で高度な技術を要する工事では、参加するのが大手4社それぞれのJVに限られることは容易に想像できる。そこで一抜け方式を採用すれば、ハズレくじのない状態になって競争性は働かない。

 問題となった中央JCTの分岐・合流部で実施する地中拡幅工事も4つの工区に分かれる。中央JCTの北側の2工区と南側の2工区で、それぞれ一抜け方式を採用した。ここでも大手4社のJVが1工区ずつ受注するように調整されているとの噂が流れた。