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 リニア中央新幹線の建設工事を巡る談合事件で、東京地検特捜部は3月2日、鹿島の土木営業本部専任部長と大成建設の元常務執行役員を独占禁止法違反の容疑で逮捕した。両社と大林組、清水建設の大手建設会社4社は、不正に受注調整した疑いで捜査を受けていた。

 容疑は2014年から15年ごろにかけて、大手4社でJR東海が発注する品川駅と名古屋駅のターミナル駅新設工事の受注者を話し合いで決定し、公正な競争を妨げたことだ。なお、これらの工事を鹿島と大成建設は受注していない(図1、写真1)。

図1■大手4社が受注したリニア中央新幹線の工事
JR東海の資料と日経コンストラクションの取材を基に作成
JR東海の資料と日経コンストラクションの取材を基に作成
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いずれもJVが受注。「受注者」は、JVの幹事企業。*を付けた工事は、鉄道建設・運輸施設整備支援機構の受託施行分。JR東海の資料と日経コンストラクションの取材を基に作成
受注者 工事名
大林組 (1)品川駅(南工区)
(2)東百合丘非常口
(3)名城非常口
(4)名古屋駅(中央西工区)
清水建設 (5)品川駅(北工区)
(6)北品川非常口および変電施設(地下部)
(7)伊那山地トンネル(坂島工区)
(8)日吉トンネル(南垣外工区)
受注者 工事名
鹿島 (9)小野路非常口ほか*
(10)南アルプストンネル(長野工区)
(11)中央アルプストンネル(山口)*
大成建設 (12)南アルプストンネル(山梨工区)
(13)北南アルプストンネル(静岡工区)
(14)静岡県内導水路トンネル
(15)第一中京圏トンネル(西尾工区)
写真1■リニア中央新幹線の名城非常口(名古屋市)の建設現場(撮影:日経コンストラクション)
写真1■リニア中央新幹線の名城非常口(名古屋市)の建設現場(撮影:日経コンストラクション)
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 この2社は、大手4社の間で情報交換をしていたことは認めているが、違法な受注調整は否定しているとされる。一方、大林組と清水建設は課徴金減免制度の適用を申請し、受注調整を認めているとみられる。

 元幹部の逮捕に対し、大成建設は「当該顧問が当局の取り調べに対し12月8日以降、25回、約3カ月にわたり任意で応じているにもかかわらず逮捕されたもので、到底承服しかねる」と強く反発。一方、鹿島は「引き続き当局の捜査に全面的に協力していく」とコメントしている。