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(6)問題点と課題、技術的解決策

 「業務内容の詳細」欄は、業務経歴票に記載した業務から1つを選んでその業務の詳細を記述する。

 17年度技術士第二次試験受験申込み案内では、「業務経歴の『詳細』欄に○を付したものについて、業務内容の詳細(当該業務での立場、役割、成果など)を720文字以内(図表は不可。半角文字も1字とする。)で簡潔に整理して記入する」と示され、記入例が掲載されている。

 これには業務の目的、技術的内容、立場および役割、成果が記述されているが、問題点や課題、課題解決のための技術的対策が記述されていない。そのため、技術士としてふさわしい業務であることが確認できない。

 前述の技術士法第2条を確認してもらいたい。記述する業務は、技術士法で定義された「技術士」にふさわしい内容であることが必要だ。記入例をそのまま鵜呑みにして申込書を作成することは避けたい。

 技術士にふさわしい業務であることを試験官にアピールするためには、その業務で何が問題であったのか、その問題を解決するために何が課題となったのか、その課題をどのように解決したのか、これらを720文字という限られたスペースで示すことが必要だ。

 ここで、問題点、課題を事業者(発注者)、設計会社、施工会社全般に通じる以下の事例で整理してみる。

 問題点とは、具体的な事象である。例えば、以下のような事象だ。

  • 例1:事業実施に際して住民から反対の意見が多くある。
  • 例2:道路計画に当たって、幾何構造基準に準拠した道路平面線形とすると、家屋移転が多数発生し事業実施が大幅に遅れる。
  • 例3:施工現場は搬入路が狭く大型重機が搬入できない。

 課題とは、問題点を解決するための取り組みである。例えば、以下のような取り組みだ。

  • 例1:反対住民への事業推進の理解を得る対策
  • 例2:早期事業着手が可能な道路平面計画の立案
  • 例3:大型重機に代わる施工方法の検討

 解決策は、それぞれ以下のことが考えられる。

 例1の場合、反対意見の主要因が事業の実施に際して、現在の住環境が損なわれることによる場合、住環境の保全が保てるような事業計画を策定すること。

 例2の場合、家屋移転の少ない道路線形とするため、道路幾何構造基準の特例値などを採用し、早期に着工できるような道路平面線形を立案すること。

 例3の場合、大型重機による施工が不可能であることによる施工性の低下が原因である場合、大型重機の使用と変わらない施工性を有する施工代替案を選定すること。

 例1~3ともに、問題点(具体的な事象)となっている原因(要因)を究明し、それを取り除く手段を策定することが解決策となる。

 問題点、課題、技術的解決策を明確にすることは、高等の専門的応用能力をアピールするための必須条件となる。