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(7)デメリットまで検討したか

 受験者が問題点や課題としている記述した内容が、その業務の与条件であるケースを多くみる。例えば次のケースだ。

 「3径間連続高架橋の床版コンクリートの打設時にひび割れの発生を防ぐことが課題となった。そのため、膨張剤を混入して対応した。」と記述した場合、何のデメリットもない方法が簡単に選定されている。これでは技術士にふさわしい業務とは言い難い。

 膨張剤や収縮低減剤、繊維材を入れ対応することは一般的であり、高等な専門的応用能力を要していないからだ。一歩、踏み込んで考えてみよう。

 3径間連続高架橋の床版コンクリートの打設は一度でできないため、応力状態の変化が少なくなるように打設計画を立て打設する。先行打設した床版コンクリートは自重で下がったり隣接径間の打設時に持ち上がったりする。一般的に床版は部材厚が薄いので、部材内の応力状態は引張側になったり圧縮側になったり変化する。

 前述のように膨張剤を用いた場合、引っ張り側のコンクリートのひび割れ発生防止には有効だが、圧縮側には、より圧縮応力を増幅させる可能性が出てくる。これのデメリットを課題として捉えて、「本当に膨張剤を使用しても良いのか」を検討した結果、大丈夫であると結論付けすることが技術士にふさわしい業務となる。

 問題点、課題および技術的解決策は、一歩踏み込んで考えてみることが必要だ。