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非ODA(政府開発援助)案件の受注を拡大するには、現地の発注機関や民間企業とのネットワークが欠かせない。市場の拡大やノウハウの取り込み、インバウンド需要の獲得など、パートナー選びに各社の戦略が光る。

 建設コンサルタント会社による海外拠点の整備が加速している(図1)。日本の景気に左右されやすいODAに依存せず、現地の政府や民間プロジェクトで稼ぎたい──。国内が好況なうちに海外の足場を固めようと、現地企業の買収や提携に意欲を見せる会社は多い。

図1 ■ 建設コンサルタント会社による海外拠点の整備
図1 ■ 建設コンサルタント会社による海外拠点の整備
取材を基に日経コンストラクションが作成
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 こうした動きの先駆けとなったのが日本工営だ。同社は2016年4月に英国の建築設計会社、BDPホールディングス(BDP)を買収。BDPは昨年7月に単独受注したウエストミンスター宮殿の改修設計業務などで、総額500億円を超える売り上げを見込む(写真1)。

写真1■ BDPが英国議会から改修設計を受注したウエストミンスター宮殿(写真:日本工営)
写真1■ BDPが英国議会から改修設計を受注したウエストミンスター宮殿(写真:日本工営)
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 日本工営が今後、買収による相乗効果を期待する分野がアジア諸国の都市開発だ。BDPは近く、アジア初の拠点として、シンガポールに現地法人を開設する。日本工営は周辺国も含め、鉄道事業とそれに付随する建築プロジェクトを、グループ内で一挙に手掛ける構想を描く。

 さらに、日本工営は欧州で新事業に乗り出す。同社は風力や太陽光発電の増加によって電力系統の周波数が変動しやすくなる点に着目。周波数を調整して電力品質を制御するシステムを開発し、今年2月から英国の電力会社に提供を始めた(写真2)。

写真2■ 太陽光や風力による発電の周波数を制御する新システムは、福島県にある日本工営の電力事業本部で開発した(写真:日本工営)
写真2■ 太陽光や風力による発電の周波数を制御する新システムは、福島県にある日本工営の電力事業本部で開発した(写真:日本工営)
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 同社の菅原茂樹経営企画部長は、「将来、日本でも再生可能エネルギーが浸透した時に活躍するため、経験を積んで準備しておく」と話す。