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佐藤 和徳(さとう・かずのり)日本大学工学部研究特命教授<br>1956年生まれ。79年東北学院大学工学部卒業後、建設省東北地方建設局(現:国土交通省東北地方整備局)に採用。東北技術事務所を経て、2012年から道路部道路工事課長に。14年に南三陸国道事務所長に就任して、17年3月に退職。同年8月に日本大学工学研究所の教授になり、18年6月から現職(写真:吉成 大輔)
佐藤 和徳(さとう・かずのり)日本大学工学部研究特命教授
1956年生まれ。79年東北学院大学工学部卒業後、建設省東北地方建設局(現:国土交通省東北地方整備局)に採用。東北技術事務所を経て、2012年から道路部道路工事課長に。14年に南三陸国道事務所長に就任して、17年3月に退職。同年8月に日本大学工学研究所の教授になり、18年6月から現職(写真:吉成 大輔)
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今号から始まる第9講義の講師は、「コンクリートの品質・耐久性向上」の潮流を東北から生み出した立役者の1人、元東北地方整備局南三陸国道事務所長の佐藤和徳氏だ。東日本大震災からの復興という制約のなか、長持ちするコンクリートを造るためには施工者の力が欠かせないが、それ以上に発注者の意識改革が重要だった。

 私は2012年から4年間、東日本大震災からの復興を目指し、発注者として道路事業に携わっていました。この間、新設するコンクリート構造物において、数々の品質・耐久性確保の取り組みを試行してきました。

 発注者内部では、忙しい復興事業において基準類で求める以上の品質や耐久性が果たして必要か、という意見が絶えませんでした。今でも根強く残っています。しかし、全国的に定めた基準などに従って造ったコンクリート構造物でも、本来の品質が得られない事例や、東北特有の劣化作用に抵抗できずに早期劣化する事例が発生しています。

 供用中の構造物の実態を見れば、発注者は現行の基準通りコンクリート構造物を造ることに疑問を抱くはずですが、基準に無いことを行うのに大きな抵抗を覚える人が多数を占めているわけです。このような風潮のなか、東北地方におけるコンクリート構造物の品質・耐久性確保の取り組みをどのように試行してきたのか、事例を交えながら皆さんにお伝えしていきたいと思います。