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非破壊試験

 構造物や供試体に損傷を与えずに評価する試験方法。非破壊試験の種類や原理、測定方法などが出題される。ここでは、測定の原理ごとに主要な試験方法をまとめてみる。

(1)表面硬度(反発度)

 反発度法では、一定のエネルギーでコンクリート表面を打撃したときのリバウンドハンマーの跳ね返り(反発度)を測定する(写真4)。コンクリート表層部に適用し、部材厚が100mm以下の箇所は避ける。

写真4■リバウンドハンマーによる反発度の測定(写真:「コンクリート診断士試験重要キーワード120」から転載)
写真4■リバウンドハンマーによる反発度の測定(写真:「コンクリート診断士試験重要キーワード120」から転載)
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(2)鋼材の導電性・磁性、コンクリートの誘電性

 鉄筋の位置や径、かぶりのほか、コンクリートの含水状態を測定できる。電磁誘導法では、測定装置が発する磁界内(磁束)に影響を与える金属や強磁性材料によって装置内の試験コイルの起電力の変化を測定する。適用深度は200mm 程度(鉄筋探査の場合)。

(3)弾性波

 コンクリートの空隙や浮き、剥離、ひび割れ深さ、部材寸法などを測定できる。

 打音法は、打撃によってコンクリート中に弾性波を発生させ、この弾性波がコンクリート表面から空気中に放射された音を測定する。数kHz 以下では深度10m以上が適用範囲。通常は20Hzから20kHzの周波数域の音(弾性波)を使用する。超音波法は、20kHz以上の周波数を使用し、発振子からコンクリート中に発射した弾性波を受振子で測定。50kHz以上では深度2~3m程度が適用限界。衝撃弾性波法は、20kHz以下の周波数を使い、ハンマーなどでコンクリート表面を打撃して弾性波を発生させ、受振子で測定する。数kHz以下では深度10m以上が適用範囲だ。

(4)電磁波

 コンクリートの空隙や浮き、剥離、ひび割れ分布などを測定する

 電磁波レーダー法は、インパルス状の電磁波をコンクリート内に放射し、電気的性質が異なる物体との境界面で反射した電磁波を測定する。鉄筋探査も可能で、深度は最大300mm程度。

 赤外線サーモグラフィー法は、物体の表面から放射している赤外線の量や波長、放射率から物体の表面温度を測定し、表面温度の差で空隙や浮き、剥離などを判定する。構造物表面から深度50mm程度が限界だ。

(5)電気化学的性質

 自然電位法は、鉄筋が腐食することによって変化する鉄筋表面の電位を測定することで、コンクリート中の鉄筋腐食の程度を評価する方法。分極抵抗法は、コンクリート表面に当てた外部電極から内部鉄筋に微小な電位差を負荷して生じた電位変化量などから分極抵抗を求め、それを基に内部鉄筋の腐食速度を推定する方法だ。