PR

 国土交通省が設立した産官学の連合体「i-Construction推進コンソーシアム」は4月20日、発注者などが現場で必要としている課題を、各種の技術を持つ民間企業に説明する「ニーズ説明会」を初めて開催した。民間による技術開発や最新技術の提案を促進するのが狙いだ。

 5月には、これらのニーズを課題解決につながる技術である「シーズ」と結びつけるため、自治体や企業の担当者が集まるイベントを開催する。

ニーズ説明会の概要(資料:国土交通省)
ニーズ説明会の概要(資料:国土交通省)
[画像のクリックで拡大表示]

 説明会では、国交省の地方整備局や自治体などがそれぞれ現場で必要としている課題を提示した。

 例えば、関東地方整備局は洪水時に浸水状況を迅速に把握するため、空撮と同時に浸水の深さを自動的に把握できる計測技術を求めている。こうした技術によって浸水容量を算定し、排水ポンプ車の配置や排水計画の立案などに役立てたいと説明した。

 和歌山県は、県の出先事務所と現場の間で映像を使って簡易に協議できるサービスの必要性を訴えた。監督職員が現場へ移動する時間を無くして、生産性向上につなげる。

 発注者以外の民間企業も説明に立った。大手建設会社はAI(人工知能)やモニタリングなど、自社の専門外の技術を活用したいと訴えた。

 説明会で取り上げたニーズは29件。同コンソーシアムの技術開発・導入ワーキンググループ(WG)が今年2月にアンケート調査で集めた約1700件から、需要の高さなどで選んだ。

 国交省によると、説明会には建設会社や建設コンサルタント会社のほか電機メーカーなど様々な業種から300人以上が参加した。発表者は説明後の質疑応答に加えて、個室で個別に質問を受け付けた。

 5月には、各種の技術を持つ企業などのシーズ側が説明する「ピッチイベント」(企業間お見合い)を開催する。テーマごとに分けて開催するかなど、形式は未定だ。技術開発・導入WGの会員企業などから参加者を募る。国交省は、ピッチイベントでニーズとシーズが合致した技術について、直轄工事や業務の現場を提供して試行することも考えている。

 同コンソーシアムとは別に、国交省の水管理・国土保全局が昨年12月、「革新的河川管理プロジェクト」の一環としてピッチイベントを開いている。既にこのイベントを通じて民間企業がチームを組み、水中の地形を測量できるドローン(小型無人航空機)などの開発に着手している。