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 名古屋市中心部から半径10km圏を囲む名古屋環状2号線が、2020年度に全線開通する見通しになった。未開通の名古屋西ジャンクション(JCT)―飛島JCT(仮称)間12.2kmで進捗の見通しが立ったことを受け、国土交通省中部地方整備局と中日本高速道路会社が7月28日に発表した。同日に開催された事業評価監視委員会では、この区間の事業費が耐震設計基準の見直しなどで890億円増えることも明らかになった。

名古屋環状2号線の概要。南側の伊勢湾岸自動車道と合わせて環状道路となる(資料:国土交通省愛知国道事務所)
名古屋環状2号線の概要。南側の伊勢湾岸自動車道と合わせて環状道路となる(資料:国土交通省愛知国道事務所)
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 名古屋環状2号線は、延長約66kmの自動車専用道路と国道302号が並走する構造で、国道部分は11年3月に全線開通している。自動車専用道が全線開通すれば、国道302号などの交通渋滞の緩和や名古屋港に出入りする物流の効率化などが見込まれる。

 高架構造の未開通区間は、中部地整と中日本高速の合併施行で09年度に事業化し、12年度に工事に着手した。

 この区間の総事業費は当初、1350億円と見込んでいた。しかしその後、東日本大震災を受けた12年の道路橋示方書改定で耐震設計基準が強化されたことで、高架橋の下部工基礎や支承の規模を拡大する必要が生じた。この影響による事業費の増額は366億円に上る。

耐震基準の見直しで下部工の基礎の規模を拡大した(資料:国土交通省愛知国道事務所)
耐震基準の見直しで下部工の基礎の規模を拡大した(資料:国土交通省愛知国道事務所)
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 そのほか、建設予定地から鉛やヒ素などを含む汚染土壌が見つかったことも工費増大につながった。当初は場所打ち杭の予定だったが、基礎工事で汚染土を処理しなくても済むように土砂を排出しない回転杭に変更。これにより311億円の増額となった。

汚染土壌が見つかったことで、約6割の基礎杭を場所打ち杭から回転杭に変更した(資料:国土交通省愛知国道事務所)
汚染土壌が見つかったことで、約6割の基礎杭を場所打ち杭から回転杭に変更した(資料:国土交通省愛知国道事務所)
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 さらに、並走する国道の交通規制時間を短くするなどの対策で事業費が増大し、全体で当初の1.7倍の2240億円となった。