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 富士通と富士通研究所は、橋の床版下面に取り付けたセンサーで車の走行による振動を計測し、床版内部の損傷度や劣化状態を推定できるデータ分析技術を開発した。2018年ごろの実用化を目指す。

振動データは様々な運動が複雑に組み合わさったもの。データの時間変化を3次元図形で表すことで、特徴をあぶり出す(資料:富士通)
振動データは様々な運動が複雑に組み合わさったもの。データの時間変化を3次元図形で表すことで、特徴をあぶり出す(資料:富士通)
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 振動データを基に床版の損傷を推定する試みは以前からあるものの、床版内部の状態を正確に把握するのは困難だった。センサーから得られる振動データは、値が時系列的に激しく変化するからだ。コンクリート表面のひび割れを写した画像データなどとは違って、異常の程度を判別するのが難しい。

 そこで、富士通研究所は時系列データでも人工知能(AI)で高精度に判別できる深層学習(ディープラーニング)技術を開発した。

 まず、センサーで計測した振動データから、ある瞬間とその0.01秒後、0.02秒後の加速度を抽出。3つの時点の加速度を3次元グラフの各軸に対応させ、1つの点として落とし込む。時間をずらしながら同様の作業を繰り返すことで、時系列データ全体を点の集まりである3次元図形に変換する。

 次に、トポロジカル・データ・アナリシスと呼ぶ手法を使って、図形の特徴を数値化。複雑な振動データ同士の違いを判別することで、正常値との差を示す「異常度」や状態の急変を示す「変化度」を高精度に把握できるようにした。