専門家の調査を踏まえて工法選定
損傷箇所で、例えば緑川支川加勢川の熊本市東区画図(えず)町下無田(上の図で9k800地点)付近の右岸では、市道兼用の堤防上に亀裂が発生。復旧工事では、亀裂範囲を網羅する形で車道幅員まで置き換えて、堤防の川側を遮水シートと連接ブロックで保護する。
緑川本川の熊本県甲佐町田口(同じく18k400地点)付近の左岸では、堤防の天端と川側法面に亀裂が発生。堤防上部を全て置き換えて、川側を連接ブロック、陸(民地)側を張り芝で保護する。置き換え土は、原位置の堤体材が良質なので、そのまま利用する。
同じく緑川本川の同町津志田(同20k700地点)付近の左岸では、堤防の陸(民地)側法面が崩壊。3段積みの耐候性土のうで陸側法面を押さえて堤体を元々の形状に復旧するとともに、同じ高さの大型土のうは互いに連結するなどの措置を講じる計画だ。
復旧工法の検討では、学識経験者のほか、国土交通省の国土技術政策総合研究所河川研究部および土木研究所地質・地盤研究グループ(土質・振動チーム)の専門家らが、現地調査を踏まえて助言した。